CONTENTS



小樽支部との交歓会の開催
第1回ゴルフコンペの開催
麻雀大会の開催
ゴルフコンペ優勝者一覧
文化講演会の開催
中大音楽研究会吹奏楽団演奏会の開催
中大アメリカンフットボールチーム:自転車競技部への応援
北海道平和セミナーへの参加
第49回札幌国際ハーフマラソンへ応援参加
中央大学音楽研究会吹奏楽部演奏会の開催
中央大学札幌支部史〜明治・大正・昭和〜
中央大学札幌支部史〜平成〜
平成17年度事業活動
平成18年度事業活動
平成19年度事業活動
平成20年度事業活動
平成21年度事業活動
平成22年度事業活動
平成23年度事業活動
平成24年度事業活動
平成25年度事業活動
平成26年度事業活動
平成27年度事業活動
平成28年度事業活動
平成29年度事業活動
平成30年度事業活動
平成31・令和元年度事業活動
令和2年度事業活動
令和3年度事業活動
令和4年度事業活動
令和5年度事業活動





支部の活動報告・・・平成28年度事業活動

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平成29年1月27日
札幌市役所白門会新年会への参加

 厳冬の最中、平成28年度札幌市役所白門会(会長;有塚広之=まちづくり政策局公共交通担当部長、会員数67名)の新年会がOBと現役職員合わせて21名の出席のもと、ホテルオ−クラ3階「アセンション」において午後6時15分から開催されました。当支部からは舟橋副支部長、西原幹事長が参加しました。
 有塚会長(昭和63年・法)の開会の挨拶に続き、舟橋副支部長の乾杯の音頭で懇親会に入りました。残念ながら上田文雄前市長は急遽出席が出来なくなりましたが会は終始和やかな雰囲気の中で進み、会員同士が杯を交わしながら笑顔で語り合う姿や、久し振りの再会を喜ぶ姿があちこちで見受けられました。
 最後は全員で校歌・応援歌・惜別の歌を3番まで唄い上げ、水野雅人副会長(昭和63年・法・厚別区保健福祉部介護障がい担当課長)の乾杯の音頭で盛会のうちに終了しました。
その後恒例となっている二次会では、一次会での盛り上がりがそのままに盛況のうちに終了しました。

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平成28年12月6日
支部年末懇親会の開催

 師走に入っても市内は雪が少ない毎日が続く最中、恒例の支部年末懇親会が午後6時より京王プラザホテル札幌3階「扇の間」において 檜森支部長以下102名会員と、ご来賓に本学父母連絡会札幌支部長百井元幸氏をお迎えし開催されました。司会進行は大野真奈((有)ミュージック企画)さんにお願いしました。




 開会に先立ち檜森支部長から「今年は、想定外だとか予定外の事が何度も続いた年でありました。例えばEUからイギリスが離脱するとか、 アメリカの大統領がこれを予想していた人もいるのでしょうか、予想外で株が大暴落するのかと思っていたら株が上がっているとか、全く金融屋の私達にも想像もつかないような事が起こりました。
 また年末ぐらいになりますと来年はどんな年になるのかという事が話題になるのですが、全くよくわかりません、私共経済研究所なんですが、来年は予想がつかない年になります。 最後は私何時も申し上げておりますように、元気で、明るく、仲良くやっていくしかないのかなと思っております。
 今年の本学の近況を申し上げますと
@残念な事に、陸上競技部は10月15日(土)開催された第92回東京箱根間往復駅伝競走の予選会で11位に終り、惜しくも本戦出場を逃し連続出場も87回で終りました。
A平成28年度の司法試験の最終合格者数が本学は136名で4位となりました。(1位は慶応155名、2位早稲田152名、3位東大137名)
B第68回全日本大学準硬式野球大会において2年振りに優勝12回目の日本一になりました。
C本学バレーボール部は、12月3日(土)開催の全日本大学学生選手権で3連覇を達成し全日本最多の15度目の優勝を飾りました。
D創立140周年を迎える2025年に向けた1複数の新学部の創設、2文系学部(法学部)の都心キャンパスへの移転、3グローバル化推進、 4スポーツ振興事業を基本方針とする「中長期事業計画」を昨年策定しました。 また本計画実現の事業資金に充てるため「白門飛躍募金」を新設し本事業の遂行することになり、学員各位にご協力を仰ぐ事になりました。募金目標額100億円(10年間)
E当支部学員、昭和45年法学部卒業の真鍋俊彦氏(学校法人北邦学園・相談役)が秋の叙勲で瑞宝小受賞を受賞されました。
F当支部学員、昭和56年理工学部卒業の柴田龍氏((株)北洋銀行・代表取締役副頭取)この度第36期札幌商工会議所副会頭に就任し本道経済振興の発展ためにご尽力頂くことになりました。
G本学と北海道が就職の連携協定を結びました。
 最後になりますが、来年が皆様にとって良い年でありますように、また皆様がご健勝で、学員会札幌支部がますます活発にそして隆盛になりますように 祈念致しまして私のつたないご挨拶といたします。」



 続いて卓話「国の財政について考えましょう」に入りました。講師に籏本道男氏(昭和35年・商・公認会計士籏本道男事務所)を迎え以下のようなお話しを頂きました。



「あまり堅い話になるといけないからと思いますので、それと私自身所謂商業簿記といいますか、企業会計についてはもう相当長くそればかりやっていた人生なのですが、 ここで最近どうも国の財政についてしっかりとした話ではなく借金がありすぎて危ないぞとか、あるいはなかにはヨーロッパの各国に比べれば日本なんて優秀な国なんだといったお話しが、 いろいろと飛び込んで来るのですが、しかしどれが本当なのか良く理解が出来ていないのですが、私も今回初めて国の財政、国の貸借対照表を見まして、 意外にそれが皆さんに知られていないのです。これは会計に携わる者としては何とかこれを皆さんに少しでも知って頂いた方がいいなという事で 今回これをテーマにお話しをさせて頂く事に致しました。
 普段、我々が見るのは国の予算なのです。今これから財務省から概算の額が出まして、それに更に各省庁からあれこれ注文がつくというのが予算なのです。 私今回初めて財政法を読んだのですが、財政法の4条に国の歳出、所謂国が金を使う時には公債または借入金以外の歳入をもってその財源にしなさい。 公債または借入金以外の歳入というのは税金なのです。ですから国の財政というのは税金でやりなさいという事なのです。 しかし但し書きがありまして公共事業あるいは出資金、それから貸付金の財源については国会の議決を経た金額の範囲でやりなさい。 こういう事で後で出て参りますが、建設、何かを造るというような場合には堂々と国債を発行出来るのですが、どうも今期はお金が足りない、 だからそこで金を集めないといけないという事になりますと特例国債、今の4条の後半の但し書きでそういうものを国の承認を得てやりなさい。
 それから財政法では事業年度は4月から3月末迄と決まっております。それでいて、決算を会計検査院に送るのは翌年度の11月30日迄に送りなさい。
 例えば今平成28年ですが28年3月末でもって27年の決算は終わっておりますが、ところがこの数字については、今年の11月30日迄に会計検査院に送りなさい。 ですからそれから初めて会計検査院が検査に入るあるいは国会で決算の審議も始まるという事で大変ゆっくりとした話です。 これには会計法というのがございまして実に面白いのですが、会計法1条に1会計年度に属する歳入歳出(出入り)所謂出納に関する事務は政令の定める所によって 翌年度の7月31日迄に完結しなければならない。事業年度は3月末迄ですよと言っておきながら7月末迄に完結しなければいけませんよという規定があるのです。 ですからその間何を一体やっているのかと申しますと、実際支払あるいは受け入れは5月末迄やるようなのです、そしてそれだけでは駄目でして、7月末迄に全部決着を付けなさい。 これなかなか難しい規定だと思います。それを出納整理期間と言っているようです。
 我々は4月、5月の2ヶ月だけが出納整理期間だと思ったのですが、法律では実際お金が動くのは2ヶ月なのですけれども後2ヶ月以内にしっかりとした会計をやっておけという規定になっております。 それだけに私共官庁会計と云っておりますけれども、それの出納整理期間というのは大変難物なものでして、それで10年前に夕張市が350億円の赤字を出して財政破綻をしたのですが、 この時に何故10年間もあの夕張の財政で350億円の赤字をどうしてわからなかったのか不思議だったのですが、それで当時調べたところ、一般の会計とそれ以外に特別会計があり、 夕張市はスキー場をやったり、ホテルをやったり特別会計がありましてこれを3月31日にピシッと合わせると解るのですが、4月から5月迄の間にお金の出し入れがあるのです。 云ってみれば特別会計が350億の赤字になっているのですから、4月から5月の間に350億借りる。 そしてそれから合わせて市に返すのが350億を返すのですから市の方は貸していたのが350億返済になったのです。それから特別会計の方は借りてきて前のを返した。 結局その辺で行ったり来たりしているだけで350億の粉飾が行われた。その結果10万人ちょっとで作った借金を今人口7千人位でしょうか、その人達で払うと言っているわけですから、 大変な思いをしているようです。
 ただ出納整理期間というものは大変曲者でして、私共の商売から申しますと、決算とくに会社の決算で3月決算というのは、二月以内に法人というのは税金を払う事になっておりますから、 3月決算というのは5月末までに申告するわけです。上場会社であろうがなかろうが申告しなければならない事になっております。 じゃあ5月、このお金は何時の部分なのだろうか。私の記憶では昭和52年までは3月決算というのは5月に入るから、これは当時の出納整理期間は、収入については4月に切っていたのです。 ですから5月に入ったのは翌年度分になっていたのです。ところが昭和53年でしたか予算を組んでる時に、どうも足りない、これは大変だ、 財政欠陥を興すという事から3月決算で5月に入る金をそこまでも引っ張り込もうと、5月に入って3月で決算が終わっているのだから52年度に入れようではないかと1ヶ月入れたのです。
 ところが会社は3月決算が非常に多いのです。ですから会社の決算書の3月決算の数字が一番多い時に、昭和52年から53年の時に財政欠陥を埋めたという歴史がございます。 今でも財務省の方では、3月決算は5月に入った金は全部旧年度の予算に入れております。ですから最後に6月1日にならないと3月31日迄の決算数字がいくらになるかわかっておりません。 こういう事でずるずると非常に決算が遅くなっているというのが実態だろうと思います。
 それとやはりずっと見て見まして1頁目に平成28年度の一般会計予算を付けておりますが、現在行われております今年の4月1日から来年3月31日迄の予算です。 予算の規模としては96兆7,218億円それから歳入の方もそうですよとなっております。さてそこで歳入の方を見ていきますと、 実は日本の歳入は57兆6,040億円これが今年の4月から来年の3月迄の収入予算なのです。これには所得税、法人税、消費税、その他とあるわけでございまして税金だけで57兆円ですよ。 その他を入れまして全部で56兆6,040億円ですよ。
 ところが実際に使うお金は基礎的財政収支対象経費と書いてありますが、社会保障が31兆9,738億円、公共事業が5兆9,737億円、文教及び科学振興が5兆3,580億円、 防衛がやっと5兆円に載ったという事で50兆0,5 41億円、その他として食料安定供給、中小企業対策、エネルギー対策、恩給等で9兆4,690億円、地方交付税・交付金等で 15兆2,811億円とここまでで73兆1,097億円ですから既に税金が足りないのです。この数字を見ていただければ16兆円位税金が足りないのです。 これで更に国債費の利払いが9兆8,961億円、最後の償還の期日が来て返済しなければならないのが13兆7,161億円あり、そしてこれらを穴埋めするために所謂国債を発行するのですが 建設公債が60兆500億円これはそれにきちんと見合う資産を買ったりあるいは他の建設公債で理由の立つものを取得するわけですが、 それ以外に赤字でしょうがないからと出てくるのが特例公債です。 これが法制度があるものですから、なんだかんだと云いながら赤字でもやっていっている。実際現実は本当は57兆6,040億円で食べられれば一番良いわけですが、なかなかそれでは食べられない。 それでこれは予算だからそれはいいわと、しかし実際国会で大騒ぎするのは、もうこれから今月から、来月からずっと予算を、平成29年度の予算をどうするかという事で、 という事は4月1日からしか新しい予算は絶対使えませんから、それまでに何がなんでも予算を通さないとならないわけですから、それが1年遅れの、 しかし28年度の予算に関わる決算は来年3月31日で終わるのですが、決算の数字については翌年の1月に出せばいいのです。実にゆっくりとした話です。 という事は締めが7月末ですから。それから1月末までに出せばいいという事です。
 しかし予算については、租税収入はこれしかないあるいは社会保障は幾らだという事でいろいろと云われますので、これからも大騒ぎになるはずなのです。 現在既に社会保障費が相当高くなっておりますのでこれらについては連日新聞等に出ているようです。さてこの予算を見ると日本はいかにも金がなさそうなんで 一体日本の国の財政はどうなんだという事ですが、二つに分かれています。借金が1,000兆円もあって大変なのではないか、まして日本の生産力は500数十兆円なのです、 その2倍も借金があるという事はこれは大変だ。ですから2年もすると日本の財政は持たないよという本までも出ております。
 さて、最近出た中央大学の後輩が書いた本も、これはアメリカやヨーロッパよりも日本の方が立派なんだという事で褒め讃えている本も出ております。 さて2ぺージ目の国の財政状態所謂貸借対照表ですが、これが作られるようになったのはそもそも今から12年前、平成15年からですが、26年度末という事は、 27年の3月31日迄ですから、28年の1月末迄に確定している。本も出ておりますから26年度末が一番早い。最近の数字だと思います。
さてここで26年度末には資産合計は679.8 兆円なのです。負債の方は1,171.8兆円ですから差し引きして492兆円の債務超過になっております。 ですから普通の会社ですと純財産という言葉を使いますが、純財産がこれだけ足りないのです。ですから492兆円のマイナスなのですよと。 それから一方借金は相当多いのです、それで特に借金の方は、負債の方を考えて見ますと政府の短期証券が26年度末で99.2兆円、公債が特に建設国債、特例国債、 財投債その他と884.9兆円あります。借入金が28.9兆円ですからここで云ってみますと政府の短期証券、公債、借入金を足しますと1,013兆円になるのです。 ですからこの1,013兆円を見まして日本の借金は1,000兆円を超えているという事で大騒ぎをされているようなのですが、確かにここ10年間順調に借金も増えておりますので、 しかし1,171兆円あるから日本の国は大変だと云っておられますけれども、この中である、例えば資産の方の有価証券で139.5兆円ありますがこれは何かと云うと、 日本郵政の株式を持っていたりあるいは外貨証券所謂為替変動があるものですから外貨系の証券も買い込んでいて、それでドル相場を見ながら一部売ったり買ったりされてるのです。 そういった事で何時も139.5兆円は売れる財産です。貸付金の138.3兆円ですが、これは地方公共団体に貸したりあるいは政策金融機関に貸し出す。 運用寄託金というのは日本の年金というのは、現在掛ける人は掛けて、頂く人は頂いているとたくさん財源があってそこから金利相当を年金で払うという事ではありません。 毎年、毎年働いている人の給料を見ながら、調整されている。ですからそれがたまたま最近ずいぶん社会保険、厚生年金等も変えていかなければならないという議論が多いのです。 そう云ってみますと国の1,013兆円の借金というのは、返す財源がない、ないと云いながらもまあそういうものもありますから即492兆円が不足だから すぐ倒産するような事ではない事とお解り頂けると思います。ただ大変苦しい。 次の頁を捲って見て下さい、会社で云いますと、損益計算書なのです。業務費用計算書というのは費用関係です所謂人件費。 社会保障給付金あるいは補助金、地方交付税交付金、減価償却、支払利息、こういう事でどうしても必須な138兆円ですよ。 次いで資産・負債差額増減計算書がありますが前年度26年度の期首では、資産・負債差額で債務超過額は490.4兆円だと、それらについて本年度の業務費用の通り138.3兆円掛かりました。 その138.3兆円に対して財源となったのは、租税等収入、社会保険料を入れて115.4兆円しかありません。だから22.9兆円の赤字なのです。 これが26年の3月末迄の決算の数字なのです。この赤字もずっと毎年コンスタントにあります。 これに前期の赤字をプラスしてそれから資産の評価差額あるいは為替換算差額、為替もこの時は大分高くなっておりましたので14兆円程プラスになっております。 これが所謂26年度末で債務超過額が492兆円だという数字になっております。
 ですから考えようによっては確かに492兆円の日本は債務超過ですから大変ですねと、ただし最近の公債はほとんど60年債ですのでという事は、先ず建設国債は何か作ってそれに見合う 国債を出しているわけですから大体が、国の扱いとしてはこういう資産類は耐用年数60年位で計算しているので、そんなおかしなあれではないのだと言ってはおりますが、 しかし大変な決算だとお思います。要するに1,013兆円の借金は間違いなくあるけれどもただ債務超過は492兆円だけですよとご理解を頂ければと思います。
 続いて北海道の財政に移りますが、北海道は27年3月31日現在で資産総額が10兆5,036億円です。負債総額が6.兆6,237億円で結果的には純資産合計額は3兆8,7986億円で北海道は充分 債務超過にはなっておりません。3兆8,000億円のプラスです。これが札幌市になりますと27年3月31日現在で資産総額が3兆8,565億円あります、そして負債総額が1兆2,308億円ですから、 割合からしますと純資産合計は2兆6,257億円という事で札幌市の財政は大変良いという事で立証出来ます。それから合わせて札幌市は平成13年からこういう貸借対照表を作ってオープンに しております。そして関係・関連団体で連結の会計も平成14年から実行しております。国の財政状態は平成15年からですからそれまでは全く予算表しかなかったのです。 決算書はなかったのです。それで随分苦労してやっと作ったのです。それで苦労するのは固定資産なのです。そもそも複式簿記ではありませんから、いくら出ただけの記録しかないのです。 複式簿記になりますと何の為に、何を取得するために幾ら出たと残っているのですが、それがないものですから随分苦労して纏めたようです。これが平成27年、28年、29年の3年間で 全国の市町村はみんな財産目録を作りなさい、それから複式簿記で記帳して下さい。それから発生主義でやって下さい。こういう3つの条件が付きまして再来年の3月31日まで全国の各市町村が 貸借対照表作り、財産目録を作るという事は、貸借対照表の基になる頭を作るわけですから、それ今までそういう認識はなかったのですから、それを作れといってもなかなか大変です。 それをおやりになる筈です。
 それである市でとにかく外注したいと、過去の財産目録作りを外注したいけれどもどうだろうかと相談に見えたのですが、私は外注するのは結構だけれども、 外注する事によって市の人で充分マスター出来る人がいないじゃないか、とそれでは困るから1週間でも2週間でも手伝って上げるから、職員の教育を先ずやった方がいいと申しましたら、 さすがその市はそういう事が上まで行ったと見えまして、職員の簿記の研修をやる事になりましたと云って来ました。
 やはり複式簿記の考え方というのは大切だという事が大分解ってきたのかなと思っています。最後に今年3月決算のトヨタ自動車(株)の数字を入れてあります。 本体の決算書を1頁目は資産です。資産合計が全部で16兆1,002億円あります。2頁目は負債です。負債合計は5兆2,407億円です従って純資産は10兆8,594億円所謂16兆1,002億円の内10兆円まで 自己資本なのです。
 ですからアメリカあたりでよくリコール問題が起きて4千億円や5千億円にいくかもしれないという想定記事が出ますと、皆さんさあ大変だと騒ぐのですが、そうじゃないですね、 本体が10兆円からの内部留保をしっかりと持っておりますので、5千億円や6千億円いきましても、3年や5年はあったとしてもどうっていう事はないというのが、 現在のトヨタ自動車(株)の力なのかと思います。という事で決算書を見ながら比較して見るのも大変面白いと思います。なぜあの会社は、こうなったのか。 今有価証券報告書というのは金融庁に出してます。上場会社は勿論ですけれども、それ以外に株主の数が多いとかという会社はみんな決算が終わって、 3月決算でしたら3ヶ月後6月の末に金融庁の方に全部出しております。それをネットで私共は見ることが出来るのです。それを見ながらあれこれと考えたり、 何かするのも非常に参考になるかと思います。それで、これからはそう意味で、今まで貸借対照表は国に関係なかったのだけれども、国だって、 地方公共団体だって貸借対照表から先ずスタートしましょうという事でなければならないのかと思います。」
 続いて第2部の懇親会に入りました。舟橋副支部長(昭和47商・舟橋公認会計士事務所)「籏本先生、只今は貴重なお話し有難うございます。 私北海道、札幌市の純資産がプラスという事初めて知りました。当然赤字だと思っていましたので。本当に今日は皆様とは年2回しかお会い出来ませんが、お集まり頂き有難うございます。 これから2時間位ですがどうぞ楽しい一時をお過ごし下さい、皆様のご健勝を祈念し、来年1年間が今年より良い年になりますよう祈念致しまして乾杯をさせ頂きますのでご唱和をお願い致します。」



 懇親会は終始和やかな雰囲気で進み会員同士名刺交換を行ったり、日頃ご無沙汰している先輩への挨拶回り、杯を交わしながら笑顔で語り合う姿や、 久し振りの再会を喜ぶ姿がテーブルのあちこちで見受けられました。



 しばらく歓談のあと司会者から新規入会者の紹介と年末懇親会への飲み物、ビンゴゲ−ムへの景品の寄贈者紹介がありました。




 5名の新会員は壇上に上がり自己紹介を兼ねそれぞれ5分程ご挨拶を頂きました。


・今井 恵理(平成14年・法)大庭歯科


・大浦 佳純(平成22年・法)弁護士法人佐々木総合法律事務所


・北山 敬太(平成1年・商)千歳市議会議員


・栗原 重行(平成11年・経済)栗原社会保険労務士事務所


・塩澤 明良(平成13年・法)丸エム南建設(株)

 飲み物・景品の寄贈者は下記の通りです。
・札幌市役所白門会
・工津 輝雄氏(昭和39年・商)(株)エミック
・大峠 栄治氏(昭和58年・法)ヤマサ醤油(株)札幌支店
・田島 誠治氏(昭和62年・理工)日本ユニシス(株)北海道支店
・田代 信一氏(昭和56年・文)(株)京王ブラザホテル札幌

 本会の目的は会員同士がより一層親睦を深めるものであり、アルコールが入ったところで恒例のビンゴ大会に入りました。





 酔いが回ったせいかなかなかビンゴが出ませんでしたが、表ビンゴ、裏ビンゴ等の景品も出席者全員に当たるように支部で用意し、 また会員からのご寄贈もあり「ビンゴ」の掛け声で会場は一気に盛り上がりました。



 目玉のホテルランチ券は、高橋恭平氏(昭和48年・理工・(株)タカラ)と出戸一成氏(昭和35年・経済・マックスバリュ北海道(株))が、 最後のビンゴ大賞は永田誠氏(昭和45年・商・日吉建設(株))が獲得しました。









 懇親会の最後は恒例となっている校歌・応援歌・惜別の歌の合唱に入りました。新規入会の会員に檜森支部長、金井重博・籏本道男・出戸一成・工藤武久顧問・柴田龍副支部長等は壇上で、 出席者はその場に立ち3番までフルコーラス熱唱し、最後の惜別の歌に至っては全員が輪になり、肩を組むなど誰もが過ぎ去りし青春時代への思いを馳せているようでした。



 結びは有塚広之副支部長(昭和63 年・法・札幌市まちづくり政策局公共交通担当部長)が壇上に立ち出席者全員が「よーい」の掛け声により一本締めで締め盛会の内和やかに終了し散会となりました。



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平成28年9月10日
第55回ゴルフ大会の開催

 本年度3回目は昨年に続いて北広島市にある「札幌リージエントゴルフ倶楽部トムソンコース」において開催されました。
小樽支部との交流を兼ねた本大会は本年で5回を迎え小樽から佐野英昭氏(昭和54・理工・環境工房(株)代表取締役)一人の参加となりました。
当支部からは西山会長以下15名参加頂きました。当日は前半のアウトコーススタート時はあいにく曇天でしたが、途中から晴れて来て絶好のゴルフ日和となり楽しい一日となりました。
 恒例により競技終了後表彰式を兼ね懇親会を行いました。優勝は当支部の伊藤宏二氏(昭和56・理工・ZEKKO INC.代表取締役)がアウト40、イン43で回、 準優勝は工津輝雄氏(昭和39・商・(株)エミック代表取締役)がアウト38、イン43で回りそれぞれ獲得しました。
 尚ベストグロス賞は舛田雅彦氏(昭和54・法・札幌総合法律事務所所長)がアウト38、イン41で回り獲得しました。その他ニアピン・ドラコン・大波・小波・平和の各賞と盛り沢山用意しました。
 西山会長から賞品を全員に授与し、「来年も是非参加して頂きたい。」と挨拶、また優勝の伊藤氏から優勝の弁、小樽の佐野氏からお礼の挨拶を頂きました。
 会は終始和やかな雰囲気の中で進み次年度の再会と健闘を期して和気あいあいの内に散会しました。 尚檜森支部長、柴田副支部長、西山会長、準優勝の工津氏、高橋恭平氏(昭和48・理工・(株)タカラ専務取締役)、 当支部顧問の出戸一成氏(昭和56・経済・マックスバリュ北海道(株)相談役)、田代信一氏(昭和56・文・(株)京王プラザホテル札幌リスク管理担当支配人)からも それぞれ景品のご寄贈頂きました。


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平成28年8月26日
第3回中央大学員会学員会全道支部交流会の開催

 小樽にあるオーセントホテル小樽3階「入船の間」において午後4時より当支部より檜森支部長、西原幹事長、小樽より関口正雄支部長、 内藤重雄副支部長、松田亙幹事長、函館より平沼冠三支部長、旭川より八重樫和裕支部長、帯広より石川政彦事務局長、釧路より中村圭佐支部長出席のもと開催しました。
 檜森支部長から「お忙しいところお集まり頂きありがとうございます。本日の会議はここで何かを決めるというよりも支部の連携を図るために懇親する事も大事だという事で開かせて頂きました。」の挨拶に続いて西原幹事長の司会で議事に入りました。

 議案第1号「平成27年度支部活動について」
各支部から以下の通りそれぞれご報告を頂きました。

 「帯広支部」
 石川事務局長から
@本学より林勘市常任理事、学員会本部より久野修慈会長出席のもと支部総会を開催(参加人員20名)
A「白門ミーティング北海道・東北ブロック会議」へ出席
B支部新年会(箱根駅伝感想会)の開催(参加人員19名)
C学術講演会を4〜5年おきに、通算して10回開催。
D平成30年に支部創立50周年を迎えるが、記念学術講演会の開催と記念誌の発行に向けて準備をしている。
E本部より助成の「支部活動支援費」を活用して昨年会報1号、今年2号をカラーA4判で制作し学員に配布したところ好評を得ました。

 「釧路支部」
 中村支部長から
@支部定期総会の開催(参加人員16名)
A「白門ミーティング北海道・東北ブロック会議」へ参加(支部より中村支部長出席)
B支部新年会の開催(参加人員20名)
C中央大学父母連絡会釧路支部総会へ参加(支部より中村支部長出席)

「旭川支部」
 八重樫支部長から
@中央大学父母連絡会道北支部総会へ参加(支部より4名出席)
A第27回大学対抗親睦ゴルフ大会へ参加(支部より5名出席)
B「白門ミーティング北海道・東北ブロック会議」へ参加(支部より八重樫支部長、武田幹事長出席)
B支部総会の開催(参加人員22名)

 「小樽支部」
 松田幹事長から
@第9回日大・中大対抗ゴルフ大会への参加(支部より3名出席)
A「白門ミーティング北海道・東北ブロック会議」へ参加(支部より内藤副支部長、上山義達氏出席)
B支部総会の開催(参加人員17名)
C札幌支部との交流ゴルフ大会へ参加(支部より関口支部長、佐野英昭氏参加)
D東都21大学の集いゴルフコンペへ参加(支部より4名参加)
E東都21の集いへ出席(参加人数45名、支部より10名出席)

 「函館支部」
 平沼支部長より
@中央大学父母連絡会函館支部総会へ参加(支部より平沼支部長出席)
A支部総会の開催(参加人数18名)
B「白門ミーティング北海道・東北ブロック会議」へ参加(支部より平沼支部長、山村孝幹事長、他1名出席)
C中央大学父母連絡会函館支部新年会へ参加(支部より平沼支部長出席)
D函館東都リーグ新年会へ参加(支部より3名出席)
E支部新年会の開催(参加人数18名)

 「札幌支部」
 西原幹事長より別添の平成27年度事業報告について報告が行われました。
会合の中で各支部共通の懸案事項として
@会員の高齢化
A新規入会者の減少
B総会・新年会への若い会員の参加が少ない
C支部財政の問題
D白門飛躍募金協賛への協力

 続いて内田小樽支部副支部長の乾杯で懇親会に入りました。
会は終始和やかな雰囲気の中で行われ各支部との情報交換・交流を図る事が出来ました。
最後は関口小樽支部長の締めの乾杯で閉会となりました。尚、次回は帯広市で開催する事で全員了承しました。


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平成28年8月9日
昭和28年度定時総会の開催

 連日蒸し暑く厳しい暑さが続いている最中午後6時より京王プラザホテル札幌3階「扇の間」において本学本部から深澤武久理事長、山中温理事・事務局長、秦匡宏総務部担当副部長、 学員会本部から久野修慈会長、東北・北海道担当の小畑悟副会長、百井元幸中央大学父母連絡会札幌支部長、若松謙維参議院議員をご来賓に迎え檜森支部長以下118名の会員が集い開催されました。



 約2時間20分お互いの近況を語り合いながら母校の更なる発展に向けて奮闘を誓い合いました。
 司会進行は西原幹事長が行いました。議事に先立ち支部長から「本日は暑い中、お忙しい中118名の学員の皆様にご出席を賜り有難う御座いました。 また本日は学校法人中央大学からは深澤先生、山中理事・事務局長、学員会から久野会長、同じく東北・北海道を担当して頂いております小畑副会長、小畑さんには毎回ですが、 秋田の銘酒荒政をお持ち頂いておりまして、本日もご覧のように沢山ご寄贈頂きました。本当に有難う御座います。 それから学校法人中央大学の総務部担当副部長の秦様、また大変お世話になっております中央大学父母連絡会札幌支部長の百井様、それに参議院議員の若松先生をお迎えしております。
今日は講師として先月まで(株)大丸松坂屋の執行役員札幌店長としてご活躍されておられました香川店長さん、ご栄転されまして今は執行役員東京店長にご就任されております。 今日は「女性のキャリア」についてのお話しを頂くことになっております。私は支部長になって3年目に入りますが、私のモットーは単純でございまして元気で、明るく、 仲良くこの支部をやっていこうという方針で幹事長を筆頭に4名の副支部長さん方と一緒にこの会をやってきております。 お陰様で日頃ゴルフ会も含め、何時もいろんな会には100名を超す学員皆さんのご出席を頂き支部の運営にご協力を頂き有難うございます。心よりお礼申し上げます。」と挨拶があり 支部会則第10条3項に則り支部長を議長に第1部の総会に入りました。




第1号議案「平成27年度事業報告並びに収支決算報告について」
幹事長から別添の資料に基づき報告し、次いで会計監事の高橋恭平氏(昭和48年・理工)から監査報告があり諮った結果異議なく承認されました。





 第2号議案「平成28年度事業計画(案)並びに収支予算(案)について」
幹事長から資料に基づき説明し諮かった結果異議なく承認されました。
 総会終了後当支部顧問の渋谷幹男氏(昭和36年・法・司法書士渋谷務所)から本学の現況についての質問があり、支部長から本件については深澤理事長のご挨拶の中で答えて頂く事で本人は了解致しました。 深澤理事長は10日にご予定があり帰京する事になりご挨拶を頂く事になりました。




「札幌支部は明治31年(1898年)当時はまだ中央大学という名前ではなく、東京法学院という時に設立をされたそうでございます。 それから本日まで118年創立の趣旨は、母校の興隆と発展に寄与する事を目的とするとホームページで拝見いたしましたけれども、 文字どおりそういう貢献をして頂きながら学員の皆様方の交流を含めて発展をされてきた事についても心からお祝いを申し上げたいと存じます。 本年度の中央大学の受験者の数でございますが去年よりも6,329名増えまして75,275名でした。その中で北海道からの受験者は2,071名でした。これは全国の都道府県の中で8番目に多い人数でした。
 それから在学生が579名でこれもやはり都道府県のなかで6番目に多い人数です。運動部の活躍の方を見てみますとスケート部アイスホッケー部門において部員80%が北海道出身の学生だそうです。 昨年は全日本学生選手権、春、秋のリ−グ戦で連覇を致しまして三冠を達成したと大変すばらしい成績を上げてくれました。 中央大学が札幌を中心とした北海道出身の方々によって支えられているという事について大変心強くまた有難い事だと感謝をしているところでございます。
 さて今期の理事会は平成26年5月中央大学のガバナンスの再構築を主たる任務として任命をされました。 平成26年7月に中央大学基本問題調査・改革委員会が出した意見書に記載されてある事項を実行して中央大学のガバナンスの再構築をするというのが課せられた任務であります。 そしてその報告書に6つの事項が記載されてあってそのうちの理事会運営規則、執行役員会規則、役員の倫理規定、役員の懲戒規則、さらには公益通報に関する規則この5つを策定致しましてそれに基づいて運営をして参りました。 残った1つは理事の選任のあり方という事でありますけれども、これは一番難しい事でありまして大変な事だと認識をしておりますけれども、 とにかくなるべく早い機会にそれについても結論を出そうという事で先月はその事だけを議題にした臨時の理事会を開いて8月中にはチームを結成してそこで具体的な叩き台を作ろうという事で現在努力をしているところであります。 お陰様で学内の風通しも良くなって大分落ち着いて来ているという認識を持っているところであります。
 さて昨年中央大学は創立130年を迎えました。2025年までの10年間に、その10年目が来た時に中央大学がどういう姿でいるべきであるかと、 そういう事を念頭に置きまして中・長期事業計画(CHUO VISION 2025)を策定いたしました。その柱の1つは新学部を設立して魅力のある総合大学にする。1つはグローバル化に備えた教育の充実を図る。 更にもう1つは多摩のキャンパスを充実すると共に文化系の学部の一部を都心に展開をするという事であります。
 更にもう1つはスポーツの振興・充実を図ろうという事であります。この中・長期事業計画実現のために現在総合戦略推進会議、 運営準備会というものを創りまして具体的な形を少しでも早くお示しをしたいという事でこの夏の間もその作業に従事しているところであります。
 またスポーツについてはスポーツ振興強化推進会議を設けまして優れた選手の獲得と育成更には2020年のオリンピックに20名の本学関係者を送り出したいそしてそのためにも スポーツの施設をどうするかという事を検討しようという事で検討を始めているところであります。中央大学にとって特別な意味を持っている箱根駅伝でありますけれども、 最近の結果は皆様ご存知の通り悔しい思いをされているとは思いますけれども、今年のリオに向けてその必要のために練習に励んでいた藤原正和選手、中央のOBですけれどもホンダのチームでやっていたのですが、 怪我をしたために現役を引退するとそして引退後直ちに中央大学の箱根駅伝の監督に就任致しました。就任直後から寮で選手と一緒に寝食を共にして練習に励んでいるとそのためにチームの雰囲気も変わってきたと聞いております。 大変真面目なストイックな方であります。今までのやり方とは違って多少の抵抗があっても、自分の考え方でやりたいと申しております。ご本人は学生マラソンの日本記録の保持者であり、 現在でもその保持者でありますがそういう経験を生かして中央大学の駅伝を何とか復活させたいという事で努力をしてくれているところであります。
 監督が代わったからといって直ちに選手が強くなるという事はなかなか難しいとは思いますが、近い将来必ず箱根駅伝の古豪であった中大が復活してくれるだろうという事を強く期待をしているところであります。
 そして先程申し上げました中・長期事業計画実現のためには相当な資金が要る訳でありますけれども125周年の記念事業の時に大変皆様にはご協力頂いてまた今回その中・長期事業計画のためにお願いをしなければならない 大変心苦しい訳でありますけれども10年先に中央大学のプレゼンスを高め社会に誇れる中央大学にするために是非ご協力のお願いを致したい。既に白門飛躍募金というのを設定致しまして皆様にお願いをするところでございます。 どうか中央大学関係者全ての力を結集して、オール中央の力を結集して2025年には天下に誇れる中央大学にしていきたいと考えておりますので是非ご協力のお願いを致したい。」

 続いて第2部の卓話「女性のキャリアについて」に入りました。
 講師は香川暁子氏(昭和56年・商・(株)大丸松坂屋百貨店東京店 執行役員大丸東京店長)にお願いしました。講演の要旨は次の通りです。




「私は4年4ヶ月札幌店長を務めさせて頂きました。北海道の皆様、札幌支部の皆様には大変お世話になりました。本当に有難うございました。
 私は同じ会社で卒業以来ずっと仕事をして参りましたので百貨店業界の限られたキヤリアしか持ち合わせておりませんけれども、その中で私自身が経験してきた事、 あるいは大丸札幌店で取り組んできた事等をお話しさせて頂きたいと存じます。
 私は1981年大丸東京店に入社致しました。その当時はまだ松坂屋とは合併しておりませんでしたので大丸入社でございます。入社当時から玩具売り場、所謂百貨店の主流ではなくて玩具売り場からスタート致しました。
 その後主に婦人雑貨関係の売場マネジャーとかバイヤーの経験を積ませて貰いました。その後2002に年大丸札幌店開設準備室の婦人雑貨部長という事で2002年に一度札幌に来まして、 ですから札幌は2回勤務をして足かけ10年札幌に住んで根っこが生えてしまっている状況です。2002年に札幌に参りまして翌年当時大丸の経営構造改革、 第1次営業改革の集大成と言われました札幌店のオープンを経て5年半の勤務の後2008年から大丸大阪梅田店店次長・営業推進部長として、当時大阪駅の大改造がございました。 それを機会に弊社の第一次営業改革、第二次営業改革、その次ですが新百貨店モデルの具現化という事で2011年の梅田店のリニューアルオープンを携わりました。当時梅田店は大阪駅にくっいている細長い、 ひょろ高い15階迄売場がある百貨店でございました。それを面積を1.6倍に広げて既存の床、天井も全部やり直すのですが、 営業は364日一日も休むなという百貨店業界の中では無謀とも言われる工事を4年間やりましてその工事が終わってグランドオープンをして1年間は当初想定した最高入店客数が1ヶ月続いてしまったという エレベーターの前でお客様が何時まで待たせるんだすぐに来いと呼び出されるとか、エスカレーターに人が乗りすぎて止まってしまうとか、駅の恐ろしさというのを経験して、 駅で百貨店をやるのは大変だなあとつくづく思っておりましたら、2012年に札幌店長をやれという事でまた駅の店長で札幌に戻って参りまして、この度人事異動が出ましたらまた駅の店長で、 東京駅の店長という事で何て言うのでしょうか、ターミナルと縁の切れない経験を積んで来て今回北海道を離れる事になりました。
 私が入社しました1981年当時からそして今もですけれども百貨店というのは、一般的にお客様も女性が多いのですが、そこで働く者の大体7割位が女性でございます。 当然お買い物をされるお客様も7〜8割は女性で、入店客数を取りますともう少し男性の比率は高いのですが、お財布を握っているのはほとんど女性とそういう業界でございます。 百貨店の館の中で働く人間といいますのは、百貨店自体の人間以外にもお取引先から派遣されている方あるいは、例えば物流関係を担っている方、警備を担っている方、 清掃を担っている方等いろんな会社の人間が集まって百貨店が成り立っているのですけれども、お取引先の方を別としましても、私共大丸松坂屋百貨店及びそのグル−プ会社を併せた従業員の男性・女性の割合を申しますと、 大体男性4割・女性6割なのですけれども、管理職となりますと女性の比率は10%までに下がります。札幌店は比較的に女性の管理職は多いのですが、札幌店単体で見ましても、部長マネージャーの内20%が女性ですけれども、 でも20%です。一方で実際現場を支える売場のリーダークラス、所謂管理職予備軍を集めますと圧倒的に女性の比率が高くなります。女性が8割位になります。札幌店でも本当に実務能力が高くて、メンバーを纏めて。 新人を教育して、それから一番百貨店で大切な接客を通じてマーケットと常に向き合っているのはこの人達です。ところがこの中から管理職・マネージャーにステップアップしていく女性を見いだすのがなかなか難しい。 非常に悩ましい所です。理由はいろいろ考えられます。一つには過去に永年に亘って人材育成や教育(ジョブローテーション)において、暗黙の内に男女差を付けてきた事の影響というのを未だに引きづっていると思います。
 私が入社した当時約40年弱前ですけれども、男女雇用機会均等法が施行される前でして、先程大丸東京店入社と申し上げましたけれども、女性はそれぞれの店舗採用、ところが男性は本社一括採用でした。 あの当時は初任給にも男女格差があって当たり前でした。所謂学卒男子の初任給は幾ら、女子は幾ら、短卒は幾ら、高卒は幾ら、短卒・高卒は男女差はないのですが、大卒だけが男女の給与格差、初任給の格差がありました。 その中で大丸は珍しく当時から男女同一給与でして、それで私が大丸を選んだ理由だったのです。 新入社員研修のメニューまでもが違っていた時代でした。当然配属後のローテーションや与えられる業務も自ずと男女で異なりまして、大体新入社員はみんな営業部に配属されるのですが、配属されても女性は販売一筋でして、 5年10年は当たり前、ところが男性は本当にちょっと販売をかじると半年も立たない内にいきなり係長の下について売場管理を学ぶというのが普通でした。 今となっては笑い話なんですけれども、私自身が入社5年目位でしょうか日本百貨店協会の中堅女子社員研修に参加する機会がありまして、当時講師の女性が当時百貨店業界初の女性取締役と言われた某社の方なんですが、 その方から「あなた達仕事を続けるのなら、定年まで百貨店で勤めたいのなら、男のように考え、淑女のように振る舞い、犬のように働きなさい」と言われまして非常にショックを受けました。 その後売場のマネージャー、部長ですとか経験してくる中で言いますと、お客様とのトラブル所謂苦情ですね、苦情対応に出て行きましても、同じ話にならないと責任者を出せとみたいな事を男性のみならず、 女性のお客様からも言われ続けたものです。百貨店業界に限らず日本の企業はまだまだそうした時代に育った人達が、経営ボードを占めているといいますか、 マネジメントラインの大部分を担っている過去の遺産みたいなものがまだ引きずられているという事は否めないと思います。
 企業では雇用機会均等法を経て男性も女性と同じように教育の場を与えられるようになりました、しかし実践の場が同じように与えられていないと感じます。 そういう視点で見れば、最近の女性の活躍を重視する安倍首相ですとか、それを後押しをしていくいろんな経済団体の要請を受けて女性の登用に数値目標を置いて取り組む企業が増えてきております。 これは女性の活躍の場を広げるという意味で大きな前進だとは思います。いついつまでに管理職に占める女性の比率を何%までに上げるとか、取締役等の役員に何人の女性を登用するとか、 こういった取り組みで先ず活躍をする場を与えられる女性が増える事これは同じ女性として大変嬉しい事であります。
 ただ働く女性の一人として、こういった取り組みに対して微妙な違和感を覚えるというのも事実です。女性の活用は女性を管理職にする事とイコールでないと私は思います。 係長になり、課長になり、部長になり役員になる事だけが、本当に女性のキャリア・アップなのでしょうか。同じ仕事をするならば、 働くならばそこにやりがいや、充実感、達成感が感じられる仕事がしたいというのは誰しもが思う事です。私達百貨店で働く人間のやり甲斐は、売上げが上がる事であり、お客様から「ありがとう」と言って頂く事なのです。 そしてやり甲斐の積み重ね・達成感というのは、ある意味麻薬みたいなもので一つの達成感を得たら次は、もっと大きな仕事、もっと違った仕事にチャレンジしたいというのが人間だと思います。 その積み重ねの結果としてキャリアは後からついてくるのではないかとそんなふうに私は感じています。ですから別に管理職にならなくてもやり甲斐のある仕事、仕事を通じて達成感を積み重ねて活躍する女性、 輝く女性が大勢いる企業、組織にするために何をしなければならないのか、今何が出来るのか、その議論も女性の管理職登用と同時進行で進めていかなければならないと思います。
 大体女性と言うと語弊がありますが、女性は欲張りで、ついあれもこれも仕事も、子どももと考えます、一方で身体は一つ、一日は24時間しかないわけです、 ですから自分のライフサイクルの中で結構長いライフサイクルの中でその時どきに、優先順位づけをせざるを得ません、これまでは仕事6割プライベート4割でエンジョイをしてた人が、 子育て7割になって仕事が3割でプライベートはゼロになる、あるいは今は仕事よりも、出産・子育て・親の介護などその時どきで状況が変わって優先順位が変わっていきます。 パートナーや親の協力度合い、行政の支援、働く企業の制度や仕組み等こんな事も影響していく事でしょう。 それでも仕事をゼロにしたくはないという女性のライフサイクルの変化に伴うその時々の優先順位付けの変化、これに合わせて柔軟に働き方や用務設計を変化対応していく事、それが企業や組織にも今必要だと思います。 少子高齢化で労働年齢人口が減り続ける中で、スキルやノーハウを持った人達を勤務時間が数時間短いからといって切り捨てる、それに代わる新人を一から育てるコストというのは膨大です。
 そう考えるとこれからはますます柔軟性を持って女性を活用出来る、女性が活躍出来る企業・組織が生き残っていく時代になると感じています。 私共でも育児勤務制度を使ってお子さんが小学校に入学するまで短縮勤務を選ぶ女性達というのは大勢います。特に札幌店は開店から丁度13年経ちましたので、その当時採用した若手が今みんな子育ての真っ最中です。 子育て中でもキャリアを途切れさせたくないという前向きの人達です。その彼女達と話をして聞かされるのは、子育てをしながら仕事を続けるのは確かに大変です。 でも一番のストレスは、お店が一番忙しくなる4時、5時この時間に先に帰らなければならない事、急に子どもが熱を出して突発でお休みをしたり、早退をしたりこういう事で一緒に働く周囲の人に迷惑を掛ける事だと言います。
 周りから文句を言われるわけではないし、みんな理解してくれる、だから尚更心苦しい、本当に私は仕事を続けて良いのでしょうか、こんな中で3年程前に札幌店では育児勤務者全員で、新しいチームを創りました。 ミッションは、お得意様営業部所謂百貨店の外商の新規口座開拓、丁度その年から全社で外商強化という事で新規口座開拓に積極的に取り組み始めたタイミングでそれぞれの店で開拓チームを創ってスタートしました。
 立ち上げ当初札幌店は外商に関してまったく素人のそれも短縮勤務のメンバーばっかりで、本当に大丈夫なのかと外野から大分ヤジを飛ばされました。 でもスタートからの一年間札幌店の開拓目標達成率は全店でダントツの一位でした。またお得意様営業部の業績も他店に比べて大幅な増率をたたき出して3年間で売上げを倍に、口座数を3倍にまでしてくれました。 一方で彼女達に聞きますとチームのメンバーがみんな子育て中のお母さんばっかりなので短縮勤務の引け目を感じないですむという事が大きかったようです。子どもの病気は、フォローし合うのが当たり前、お互い様です。 開拓活動は自分でスケジュールを立てて、お客様を訪問するというのが基本ですから、自分の働き方を自分でコントロール出来る等育児勤務を続けていく中で一番のストレスが緩和されているようです。 そしてなによりこの成果を生み出したのは、育児をしながらでも札幌店で働き続けたい。店と仕事に強い愛情を持っている人間がお客様の所に足を運び勧誘するこういう事に尽きると思います。 またこのメンバーが育児勤務を終了してフルタイムで売場に復帰した暁には、多分開拓活動で得たお客様のご意見やニーズを品揃えやサービスに反映して新たな視点でよりよい店作りに貢献してくれるものと期待しております。 百貨店は比較的女性の勤務年数が長いというふうに言われますが、5年10年と勤務年数を積み重ねて中堅と言われる女性達から面白い仕事が回ってこない、楽しい仕事が貰えないといった不満を結構最近耳にするようになりました。 これを聞かされる度に私自身はカチンと来るのですが、世の中そうそう面白い仕事や、楽しい仕事があるわけではないです、そうではなくて大変な仕事、困難な仕事をする事を開き直って楽しみなさいと、 頑張っている自分を褒めてやりきった達成感をこそ楽しみなさいと返しております。私は待っていても面白い仕事、やり甲斐のあるという仕事は絶対に回ってこないと思っております。 棚ぼたで楽しい仕事や、面白い仕事が貰えるという事は稀です。万に一つ棚ぼたがあったとしても少なくとも自分の足で棚の下まで歩いて行って、口を開ける位の努力は必要です。 そしてもっとやりがいのある仕事、達成感を得られる仕事をゲットすればキャリアは自ずからアップしていくはずです。ところがどうしても日本人特に女性は謙譲の文化といいますか、慎みの美学といいますか、 何となく周りが察して声を掛けてくれるのを待つというか、自分から名乗りを上げて厚かましく思われたくないという気持ちが積極的に前に出る事を躊躇わせているように感じます。 この辺をうまく取り除いてチャンスを与えてやらないとなかなか女性は育たないと思っています。
 よく私は後輩の女性に言うのですが「出る杭は打たれます。でも出過ぎた杭は誰にももう打てないのですよ、そんなつもりで仕事に臨みなさい。」
 大丸松坂屋でも自己申告制度、公募などいろいろな受け皿となる仕組みを作ってはいるのですが、まだまだ全社組織全体の活性化みたいなものには至っていない、非常に残念な事です。 これを本人の問題だと、やる気があるのなら、能力があるのなら自分で手を挙げるはずだ、あるいは女性だけ優遇するのはおかしいと言いきってしまう事は簡単です。確かに正論でもあります。
 しかし一方で少子高齢化による人口減少、労働力不足はもう目の前に迫っています、待ったなしです、これからも元気な日本であり続けるためには女性が働き続ける事が必須ですし、一方で出産、子育ても必須です。
 それを実現していくためには、国や行政の支援も、もっともっと充実させなければなりませんし、企業もそのために制度や仕組みをきちんと整えなければならないと思います。 そこには当然当事者である働く女性の声が反映されていなければ意味がないと思います。であれば女性が影響力のあるポストに就かなければならないでしょう。 いろいろ越えなければならないハードルはあると思いますが、今はスピード求められています。
 最近ダイバーシティという言葉が経営戦略を語る上で非常に頻繁に使われるようになりました。 ダイバーシティの中で最近話題になっているのが、L・G・B・T、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスセクシュアル最近読んだ雑誌によりますと、 カミングアウトしていない隠れL・G、B・Tも含めると左利きの人と同じくらい世の中に存在するそうです。女性の活用くらいで手間取っていたらダイバーシティ・マネジメントにほど遠いと言えるかもしれません。 私自身働く女性の一人として今置かれている立場で精一杯、後に続く後輩達を前から引っ張り後ろから背中を押して、共に活躍の場を広げていきたいと思っております。 それが元気な日本に繋がって行くのではないか最近頓に思うところであります。」

 続いて第3部の懇親会に入りました。
 当支部顧問籏本道男氏(昭和35年・商・公認会計士籏本道男事務所所長)から「実は、私商売は公認会計士という職業をやっております。 これは昭和28・29年当たりの公認会計士試験の合格者の実績を見た時に、一橋と中央大学とが交互に一位だったのです。それで私は中央大学の商学部だけを受けたのです。そして1960年に卒業しました。 その頃はずっと中央大学がトップだったのです。それからやや経ちますと今度は慶応、早稲田が会計士試験にはいって参りました。そして最近は慶応が断然強いですね。 大体合格者の120名位が慶応で、早稲田が90名位、中央は60名ちょっとです。そしてその後に明治が57・8名ですぐそばまで来ている。 本当は明治との差はまだまだあったのですが、明治がお茶の水に高い校舎を建てましてから俄然変わって参りました。 司法試験の方は今日頂いたパンフレットを見ますと、今年の短答式試験の合格者は341名で中央と早稲田がトップだそうです。それだけに商学部関係ももっと頑張らなければならないなという事です。 それで1960年に大学を卒業しまして、それからもう56年経ちますけれども、とにかく中央大学を出たという事が大変私自身の誇りになって生きて参りました。 でこれからもまたそういう事だろうと思いますので、何とか皆さん力を合わせて中央大学を盛り上げなければならない、そしてまた学校にはそれなりにやって頂かないと考えますので、これからも元気で頑張りましょう。
 そういう意味で乾杯しましょう。ご唱和頂きたいとと思います。」




 続いて久野学員会会長から「北海道を支えているのは、本日お集まりの学員のかた方方だと私は確信しております。皆さん手を繋いで一つ北海道から理事長が出るような形で持っていかなければならないと思います。 私もこの大学の仕事を長い間やって参りまして、本当にこの大学の本質をどうやって変えられるかが今度の勝負だと思っております。私も、先程深澤理事長が話されましたが、 この理事の問題について極めて疑問に思ってきたわけであります。トップがしっかりしてない事にはどうしょうもならないという事であります。 私はイトーヨーカ堂の鈴木さんを理事長に選びまして、選んだ時は8ヶ月間派閥争いで決まらなかったわけであります。その時に中山学員会会長と一緒にこの鈴木さんを担いだわけであります。 この鈴木さんもこの大学は駄目だという事でお辞めになって私がその後を引き継ぎをしたわけです。
 あらゆる問題がありますから誰かが強くやらない限りは改革が進まない。しかし強くやればやる程大学の自治権とか何とかこういう事で排除されて来るわけであります。しかしそれ自体は終わっている訳であります。 この事が大事だと私は思っているわけであります。私は昨年札幌支部の総会に出席出来ませんでした。実は私はその時T.P.P交渉に参加しておりました。 このT.P.Pに参加しまして北海道の農・畜産業をいかに守っていくかという事、そしてその中における北海道経済をどう維持するかついて北海道中央農協、あるいはホクレンさんと一体になって対応してきたわけであります。 その国会が10月から始まります。その内容はいろいろな問題を抱えていると思っております。これをどういう形で将来に向かって解決していくかという事が極めて需要な時が来ましたが、大学も同じであります。
 国際的な競争にどうやって勝っていくかという事に対する強い信念と実行力がなければならないという事であります。 先程深沢理事長が中・長期計画を昨年纏めて出発したという話がございましたが、その中・長期計画を纏める協議委員会がございました。委員会は4時間半ああでもない、ここうでもないという議論がございましたが、 私はもう理屈はいいのだと、今日決めるのだという事で決めさせたわけであります。 しかしこの中・長期計画をどうやって前に進めて行くかという本当に実行力のあるマネジメントが出来る先生なり理事が誕生しない限り前に進まないと私は思っております。 今やどこの大学でも必死になって、お客様の立場に立ってあらゆる面を宣伝広告啓発しているわけであります。この大学のオープンキャンパスにしましても、大学挙げてお客様に来て頂きたいという時代が来たわけであります。 そのためには大学の評価が高まらなければならないわけであります。日本の農業と同じようにマーケット・アウトでいけば競争力がなくなってしまうわけであります。 中央大学あるいは日本の大学の場合はほとんどがマーケット・アウトでお客様の立場になんにも立っていなかったわけであります。 日本の農業だけじゃなくして大学もお客様を大事にしてお客様が評価される本当の大学にしていかなければならないという事であります。 私がやって来た事に誰も理解をしない中央大学と明治大学では年間50億円の収入がちがうわけであります。10年間で600億円位違う、それで競争に勝てないわけであります。 それをどうやって勝てるように持っていくという強い信念のマネジメントをする人、大学の先生なりが死に物狂いでやらない限りここにお集まりの学員の皆様には、答える事は出来ない状況になると思っておりますから、 私は憎まれても、憎まれても厳しく、厳しく対処して学員の皆様が卒業された大学が本当の大学になるように、本当に強く出ておりますから、 どうか皆様方もそういう点で中央大学に対して厳しいご意見をどんどん出してもらわなければならないと思っております。それを本当にやりきれるかどうかという事であります。 今中央大学は夏期休暇には入っております、職員も8日〜18日まで10間は休みだと、そんな事は今許されないのではないですか、我々は休んでいる暇がないわけであります、年間賞与6.8ヶ月で8日〜18日まで休みだとそんな馬鹿な事で、 皆様方に寄付をお願いする事は出来ないと思います、大学の人達も公用車を廃止する、人を減らす等最大の努力をして皆様方に大事な本当に協力をして貰わなければならないわけでありますから、 この辺が本当に全先生方、職員のかた方が認識をしない限り大学を変える事は出来ないと思っております。どうか皆様方今後とも宜しく学員会にお力を貸して頂きたいと思います。 明るくて、前に進んで競争に勝てる本当の大学は、どうあるべきかという事を公開討論する位でなければならない。今日理事長が来ましたが、大学の理事と今日お集まりの皆様方を含めて公開討論をして、 その中で意見を求めていく位の勇気ある経営者が必要だと申し上げて挨拶に代えたいと思います。」




 続いて東北・北海道担当の小畑副会長から「今日のパーティは非常に拙いんですよ。たいてい大学からは誰も来ないのです。私久野会長の代わりにことこの3ヶ月で山形、郡山、盛岡いろいろ廻りました。 久野さんもいらっしゃらないし、理事長もいらっしゃらないので、私、でかい顔して大学の現況、これから大学はどうあるべきか、講演会はどうあるべきか、今日は何にも話せないのです。 それで唯一話すのは、お持ちした荒正という酒に関してお話しします。
 実は荒又酒造会社の奥さんも、旦那も中央大学の出身でして、この荒正を檜森さんに頼まれて50本持って参りました。私荒又酒造から頼まれたわけではないのですが、北海道のお酒も美味しいと思いますが、 この荒正のシックスを飲んで楽しんで貰いたいと思います。」
 ご来賓の最後は参議院議員の若松謙維氏から「私は商学部昭和53年卒業でありまして、現在公認会計士・税理士そして行政書士もやっておりまして、会費ばかり払っている会員です。実は先週末に復興副大臣を退任致しました。 昨日退任式をやりまして今日札幌の皆様の元に駆けつけて参った次第です。 国会白門会というのが国会の中にありまして、その近況報告をさせて頂きたいのですが、現在国会には中央大学卒業生が29名おります。 順番的に申しますと一番多いのが東大、慶応、早稲田、日大、5番目が中央、6番目に京都大学であります。そういう意味では中央大学は国政の中でも中心的に仕事をしております。 国会白門会の会長は高村先生、平和安全法制で頑張られた方、更には今回退任なられましたがオリンピック担当大臣の遠藤さん、そして私も副会長をしておりますが同じく副会長の今津さんとで頑張っております。
 そういう事で国会でも何とか中央大学の盛り上がりのために頑張っております。現在総長・学長の酒井先生は商学部でありますので新たな観点から中央大学の発展のために頑張って頂きたい。 特に法学部の東京へのカムバックという事もあるのですが、今高齢社会に対応した学部づくりをされているという事であります。
 私も今丁度ユニマット・リタイアメント・コミュニティという団体の役員をしておりましてまさにそのモデルが千葉にあります。酒井学長と一緒に視察もさせて頂きました。 いずれにしても中央大学は本当に私達の時代では質実剛健という合い言葉に本当に今いろいろな面で失われた日本を再生するのは間違いなく中央大学だと思いますが皆様如何でしょうか、 国会議員として頑張りますのでどうぞ一緒によろしくお願い致します。」




 懇親会は終始和やかな雰囲気の中で進み会員同士名刺交換をし、杯を交わしながら笑顔で語り合う姿や、久し振りの再会を喜ぶ姿があちこちで見受けられました。


























 今回新たに会員となった学員は総勢10名で壇上に立ち自己紹介を兼ねそれぞれ挨拶を頂きました。


・大峠 栄治氏(昭和58年・法)ヤマサ醤油(株)札幌支店


・小野寺 徹氏(昭和59年・商)日本地建(株)


・栗山 大樹氏(平成25年・法)北海道総務部総務課


・佐々木 是将氏(平成18年・商)(株)ビジネスコンサルタント札幌営業所


・嶋田 貴年氏(平成5年・法)北海道総務部法務・法制文書課不服審査グループ


・鈴木 盛之氏(平成3年・経済)北海道あすかぜ高等学校


・田島 誠治氏(昭和62年・理工)日本ユニシス(株)札幌支店


・田中 良介氏(平成2年・法) 北海道テレビ放送(株)


・辻田 真人氏(昭和45年・法)


・森 達哉氏(平成24年・経済)札幌市子ども未来局子育て支援部保育推進担当課認可担当係

 会の最後は恒例となっている校歌・応援歌・惜別の歌の合唱に入り、全員が輪になり、肩を組み合ってそれぞれ3番までフルコーラスで熱唱し誰もが過ぎし学生時代へ思いを馳せている様子でした。



















 結びは舟橋副支部長が壇上に立ち「ラジオでクリスチャン系の番組のコマーシャルだったと思うのですが、どんなに美しい言葉であってもその人の心から出た言葉でなければ相手には伝わらない。 とイントロであったような事を覚えております。とてもいいお話しだったと思います。また12月6日に皆様にお会い出来る事を楽しみにしております。」



 懇親会は和やかに終了し散会となりました。
 尚札幌市役所白門会より飲み物の寄贈がありました。

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平成28年7月15日
学術講演会の開催

 中央大学主催、学員会札幌支部・父母連絡会札幌支部共催、札幌市教育委員会・札幌商工会議所・(協)中小企業振興センターの後援による学術講演会が北海道経済センター8階Aホールにおいて午後2時から開催されました。講師に宇佐美毅氏(学校法人中央大学文学部教授)を迎え「池井戸潤作品はなぜヒットするか―『半沢直樹』『下町ロケット』などに見る現代性―」と題した講演に札幌市民、札幌商工会議所会員、学員、父母連絡会会員133名が熱心に聴講されました。講演に先立ち檜森学員会札幌支部長の開会の挨拶に続き講演に入りました。





「只今檜森支部長から紹介されましたが例年開催される講演会は難しいテーマのお話が多いようですが、今日は学術講演会という名前に恥じるようなあまり難しくない話を、学術的でない話しをさせて頂こうかと思っております。中央大学は法学部が看板でして、法科の中央とよく言われますし、実学の中央と云いまして世の中の役に立つ人材を育てるということが、中央大学の建学の精神がそもそも実地応用の礎を養う、実地応用という事で、社会で本当に役に立つそういう人材の基を鍛えるのだという事が中央大学の建学の精神なのですが、私残念ながらあまり建学の精神に貢献しておりませんで、あまり実学ではないと云いますか、全然実学ではないと申しますか、中央大学でも柔らかい方の研究をしている人間が居るのだという事で知って頂ければいいかなあと思っています。
今私はご紹介頂いたように文学とかドラマの研究をしているのですが、そういった事でいろんな所に声をかけて頂いたりします。それでいろんな所に行 くのですが、授業もこんな感じなのですが、一杯学生が来てくれているので、よっぽど私の話が面白いのだろうな、人気があるのだろうかと思うと「先生の授業はドラマがいっぱい見られていい。」毎回感想を聞くのですが「今日先生の話ちょっと長かったかなあ、来週はもっと短くして下さい、ドラマをもっと沢山見せて下さい。」言われたりしますので、私の話が面白いのではなくてドラマがきっと面白いのだと思うのですけれども、そういった事をしている関係でいろんな所に呼んで頂いたりします。
 授業の様子をつい最近テレビで取り上げて貰いました。テレビ朝日系列ですので、こちらですと北海道テレビ放送になると思います。こんな風な授業をしている事を、折角ですから中央大学の宣伝も兼ねて少し見て頂こうと思います。こんな風な事をやっておりまして、いろんな所でテレビの研究者というよりはドラマの伝道師というつもりでいるのですが、いろんな所で声を掛けて頂きまして今回のような講演会に呼んで頂いております。
 講演会に呼んで頂きますと地方に行けますので、その地域のただ観光するだけではなくてドラマに因んだ場所に行ったり、そういう事も勿論させて頂いております。札幌はついさっき飛行機で着いたばかりですのでまだ何処にも行っておりません。隣が時計台ですのでこれから行こうと思っております。
 例えばこれが岩手県の盛岡で講演会に呼んで頂いた時ですが、盛岡といえば私の中では「どんどんハイツ」という朝ドラの世界なのですが、そこも勿論行きますし、やはり「あまちゃん」の久慈市ですね、ドラマ研究者の血が騒ぐと云いますか、海女さん達が潜っているところまで行って来ました。
 最近ですと福島県のいわき市ですね、映画「フラガール」の街ですから行って来ました。これも研究の一環なのです。という事で中央大学の実学志向の中でこういう研究をやっている人間なのです。勿論観光もしますし映画やドラマに因んだ場所にも行きますが、行ったら当然美味しいものも食べます。
 つい2週間前に山形県の鶴岡市に行って来ました。これ藤沢周平の出身地ですが、庄内藩の飛島で取れる生牡蠣は夏が旬なので食べてきました。これも研究かな、ちょっと難しい微妙な線引きなのですが地元の事を知るという意味で、これも研究ですしいいのかなと思っています。
 今全国でゆるキャラが地元興しでいろいろとやっておりますが、有名なのは熊本県でしたら「くまもん」、群馬県の「ぐんまちゃん」、愛媛県に行ったら「みきゃん」がいますが。という事でいろいろと仕事であちこちと呼んで頂いては、それに因んだ観光もし、美味しいものを食べ、テレビに因んだ場所にも行っております。
 ふと考えてみると仕事であちこち行って実は何か遊んでいる、プライベートに楽しんでいるような感じもするので、やっている事は舛添都知事と殆ど変わらないのかなあと感じもしますし、公私混同だと云われそうな気もしますが、全然違うのです舛添さんと違って私は自分の金で払っています。 そんなような事でいろいろドラマの件であちこちと呼んで頂いておりますが、今回は札幌に呼んで頂いたのですが、札幌と云えば映画で云えば「探偵はバーにいる」という舞台ですし、それから札幌だけじゃなくて北海道全域と云えばテレビドラマと北海道と云えば「北の国から」等有名なドラマが沢山ありました。そういった地域でもありますので、私も北海道でいろいろと勉強してネタを仕入れて帰りたいと思っております。





 今日のテーマは池井戸潤という事で、池井戸さんは小説家ですから、池井戸さんがドラマを作っているわけではなくて、池井戸さんの作品を様々なテレビドラマ化している。今日はそれのお話しをさせて頂きたい。大きく分けて4点についてお話しをさせて頂きます。
1.池井戸潤小説とテレビドラマ化作品
2.池井戸潤ドラマの特徴と『半沢直樹』の意義
3.テレビドラマ史と作品を支える時代
4.まとめ:テレビドラマは時代を映す


「論点1.池井戸潤小説とテレビドラマ化作品」 池井戸さんは、昭和38年生まれで慶応大学を出てから三菱銀行に勤め退職してからいろいろと本を書くようになりました。銀行員を経験した後執筆活動に入り様々な小説を書いております。2010年に『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、2011年に『下町ロケット』で直木賞を受賞されております。
 この方のどんな作品がドラマ化されているのかという事ですが主なものは『鉄の骨』、『七つの会議』、なんと言っても一番有名なのは『半沢直樹』ですねそれ以外にも『ルーズヴェルト・ゲーム』、『花咲舞が黙っていない』、『ようこそ、わが家へ』、『民王』、『下町ロケット』などこんな作品が次々とテレビドラマ化されております。なかでも草分け的な存在として『七つの会議』というドラマがありまして『日本経済新聞』の電子版に連載されたものなのですが、この作品が2013年にNHKで4回に亘ってテレビドラマで放送されました。 これは非常に重厚ないいドラマでしたが、実は『半沢直樹』とほぼ同じ時期に2013年の夏(7月〜8月)に放送されておりますが『半沢直樹』に比べてこちらをご覧になっていた方は少ないのではないでしょうか、視聴率的には全然違います。同じ池井戸の企業ドラマではあるのですが、こちらは非常に重い内容といいますか、重厚な話なのでちょっと地味な感じはします。『半沢直樹』ほど人気にはならなかったと思います。『七つの会議』の方は、会議の場面が多く、原作の方は短編で一つ一つ完結しているのですが、ドラマの方では東山紀之さんが演じている主人公に、焦点化するというドラマになっております。
 『半沢直樹』は2013年の夏期に放送され、このドラマの前半5回は東京中央銀行の大阪西支店を舞台に、不正融資を暴く半沢直樹(堺雅人)を描き、後半は東京に移り、営業第2部次長となった半沢のホテル再建や金融庁検査における活躍を描いております。このドラマは平均視聴率28.7%で、最終回は42.2%という驚異的な高視聴率を上げました。
 因みに視聴率というのは、ビデオリサ−チ社という会社が調べた関東地区を採用するというのが基準になっておりますが、これまた何と言いますか範囲が絞られているので、実はドラマによっては、関東地区はほどほどだけれども、関西は良かったとか、北海道地区はとても人気があったとか、いろんな地域差があるので一概に計れないのですが、一応ドラマの世界では、ビデオリサ−チ社が関東地区で調べたものとなっているという事でご了解を頂きたい。こんな事で大変なヒットになりました。『半沢直樹』の大ヒットがあったものですから、この後池井戸さんの小説が次々ドラマ化され、『半沢直樹』やられたら倍返しだ、倍返しというのは原作の小説の中では、ほんとに僅かしか云っていないのです。たいして出てこないのですがドラマの方はすっかりこれが決めゼリフに、水戸黄門様の印籠みたいにこれが決めゼリフになったという感じがします。こういったヒット作があったものですから、この後次々と池井戸さんの小説がドラマ化しまして『ルーズヴェルト・ゲーム』というのが先ず放送されます。これは電子部品メーカー青島製作所とその会社と社会人野球チ−ムを舞台に、社長・野球部長・部員を描いたドラマです。原作は複数の人物を主人公に描いているが、テレビドラマでは社長の細川充(唐沢寿明)を中心に描いている。
 『半沢直樹』ほどの大ヒットではないのですが、平均視聴率は14.5%、最終回は17.6%ですから今の民放のドラマの中では充分高視聴率で成功したドラマと言えると思います。「どうして『半沢直樹』みたいにヒットしないのでしょうか」とよくテレビの方とか、新聞社の方に聞かれたのですが、同じ原作者のドラマだから何時もヒットするとは限らないと思います。いろんな要素がありますので、こちらはどちらかというと主役が社長なので、同じ社長といっても『下町ロケット』位ですとまた別なのですが、唐沢さんが社長の役をやっているのですが、どちらかというと企業の経営という感じで、多くの視聴者にとって身近な題材という感じはしなかったのか、というところもあります。勿論充分民放のドラマとしては成功なのですが、『半沢直樹』ほどにはならなかった。企業の経営の問題とそこの会社の社会人野球チ−ムがそれぞれの苦難をどうやって乗り越えていくか平行して描かれているドラマになります。
 この『ルーズヴェルト・ゲーム』はドラマとしては、充分成功し視聴率的にも成功なのですが『半沢直樹』ほどの大ヒット作にはならなかった。それから同じ池井戸さんのドラマはこの後次々作られまして、『花咲舞が黙っていない』この作品も池井戸さんの原作です。こちらの方は『花咲舞が黙っていない』という小説はなくて池井戸さんの小説の中で『不祥事』、『銀行総務特命』をドラマ化しているのが第1シリ−ズです。
 『花咲舞が黙っていない』は2回に分けてテレビドラマでシリ−ズ化されましたので第2シリ−ズの方は『銀行仕置人』、『銀行狐』とかこういった小説をドラマ化しております。『花咲舞が黙っていない』の方は複数の小説の内容をミックスして一つのドラマとして、連続ものとして放送されました。
 このドラマは、東京第一銀行の臨店班、花咲舞(杏)と相馬健(上川隆也)を中心に描いております。 こちらも『半沢直樹』のような大ヒットではありませんが、現在の民放ドラマは視聴率が15%取れたら大成功ですので第1シリ−ズ16.0%、第2シリ−ズ14.5%の平均視聴率が取れておりますので民放のテレビドラマとしては視聴率的には、大成功だと思います。
 池井戸さんの一番新しい小説をドラマ化したのは『下町ロケット』ですが、これは2008年から2009年にかけて連載されていたのが第1部にあたりまして、続編はテレビドラマを放送している時に平行して朝日新聞に第2部を連載する、普通は、連載して小説が出来上がってからドラマ化をするのですが、これは小説の連載とドラマの放送が平行しているという非常に珍しい実験的な放送のやり方をしたドラマです。これは昨年10月から12月にかけて放送されまして『半沢直樹』ほどではありませんが、『ルーズヴェルト・ゲーム』・『花咲舞が黙っていない』を上回る平均視聴率18.5%を取り、最終回は22.3%の視聴率になりました。このドラマは、精密機械製造の中小企業である佃製作所が舞台。佃製作所は小さい企業ではあるが非常に技術力の高く、社長の佃航平(阿部寛)を主人公に、ライバル企業との特許権をめぐる争いや巨大企業・帝国重工との関係を描いた作品です。
 これらのドラマを見て来ますといろいろな世界がある事はあるのですが、大企業もあり、銀行もあり、中小企業もあり、会社の野球部もあるという事でいろいろではあるのですが、何かそこに共通点みたいものがあると皆様はお感じになられたと思います。次はそのあたりのところに話を移していきたいと思います。尚、論点2以降は講演の内容を割愛して要点のみ掲載する。

「論点2池井戸潤ドラマの特徴と『半沢直樹』の意義」
1.池井戸潤小説ドラマ化の特徴
・ 池井戸潤は銀行小説から出発したが、その後様々な作品を書いている。特徴は多様。
・ サスペンス系の『ようこそ、わが家へ』や、政治を扱った入れ替わりもの『民王』などもあり、それらの小説もドラマ化されている。
・ どのテレビドラマも大ヒットの高視聴率となっているわけではない。『半沢直樹』は特別な作品。ただし、多くのテレビドラマが視聴率面で苦労している中、池井戸作品は手堅く人気を集める。
・ 『半沢直樹』の驚異的高視聴率など、特に銀行・企業を扱った作品への支持が目立っている。
2.銀行・企業を扱う池井戸潤ドラマ
・ 『半沢直樹』、『花咲舞が黙っていない』、『ルーズヴェルト・ゲーム』、『下町ロケット』には、銀行・企業の社員や社長が苦難に負けず努力し続け、最後に成功をおさめるという共通点がある。
・ 『半沢直樹』東京中央銀行の融資課長・半沢直樹は上司の不正の責任を 押しつけられる。
・ 『花咲舞が黙っていない』東京第一銀行の臨店班・花咲舞は、各支店の 不正やハラスメントに直面する。
・   『ルーズヴェルト・ゲーム』苦境の企業野球チ−ム。
・   『下町ロケット』中小企業佃製作所社長・佃航平は、ライバル企業から特許権で訴えられる。 3.『半沢直樹』はなぜ受けたか
・ 『半沢直樹』は「サラリ−マン時代劇」
・ 「善悪」「役割」をわかりやすく描く。
・ 池井戸の原作小説よりも「会社を裏切り半沢に責任を押し付ける上司」 「半沢の邪魔をする嫌味な金融庁検査官」のキャラクターがドラマではかなり濃くなっている。
・わかりやすさに加え視聴者から「共感」「憧れ」という、異なる二つの感情を同時に引き出すことに成功している。
4.半沢直樹への「共感」と「憧れ」
・ 半沢直樹ほどの状況(上司の犯罪の責任を押し付けられる)はあまりないとしても、「上司に恵まれない」「望まない仕事を押し付けられる」といった状況は、組織で働く人間なら誰にでもある。→「共感」
・ しかし半沢直樹のように露骨に上司に逆らうことは通常はできない。そ れをやってのけて大逆転で上司の悪をあばき、成敗する半沢に溜飲を下げる→ 「憧れ」
5.『半沢直樹』が受け入れられる背景
・ 時代劇がテレビからなくなり、安定的な娯楽作品が不足している状況。
・ 1話完結事件ドラマ(刑事物・犯罪もの)の全盛で、「共感」できるキャ クターを持つドラマが不足している状況。
・ 働く女性の増加で「サラリーマン社会」「組織で働くこと」を自分に置 き換える視聴者が増加している状況。
・ 男女ともに楽しめるドラマ作品の必要性。

「論点3テレビドラマ史と作品を支える時代」
1.『半沢直樹』はいつでも支持されたか
・ 「テレビドラマ史」を考えると、多くの視聴者を引きつけ付けたドラマ には、時代との関係、支持される必然性があると考えられる。
・ 「家政婦ミタ」が東日本大震災年に支持されたようにテレビドラマと時 代との関係を考えることもテレビドラマの研究の役割。
・ 『半沢直樹』を含む2013年以降のドラマの状況は1990年代後半のテレビドラマの状況と似ているのではないか。
2.1990年代後半という時代
・ バブル経済期1980年代後半、バブル崩壊期1990年代前半に続く時代。
・ バブル経済期のヒット作 『抱きしめたい』(88年)『愛しあってるかい』(89年)などのトレンディドラマ。
・ バブル崩壊期のヒット作  『家なき子』(94〜95年)や『この世の果て』(94年)といった貧困や不幸を描いたドラマが注目された。
3.1990年代後半のテレビドラマ
・ ハブル経済期の底抜けに明るい作品やバブル崩壊期の救いようのない暗さの作品は見られなくなっていく。
・ 1990年代後半は例えば『GTO』(1998年)や『彼女達の時代』(1999年)などの作品が注目された時代。
・ 作品の雰囲気はまったく異なるが、どちらも状況の困難さや価値観の迷 いに「立ち向かう」物語という意味で共通点がある。
4.『彼女達の時代』
・ 1999年、フジテレビ系列
・ 岡田恵和脚本。
・ 出演:深津絵里、水野美紀、中山忍。
・ 仕事や恋愛にいきづまる3人のOLが出会い、励まし合って進む過程を 描く。
・ 一方でリストラ男性社員も描かれる。
・ 働く意味、人生の意味を考える「自分さがし」物語。
5.『GTO』
・ 1998年、フジテレビ系列
・ 藤沢とおる漫画作品のテレビドラマ化。
・ 脚本:遊川和彦。主演反町隆史。
・ 2012年、リメイク作品(AKIRA主演)。
・ 元暴走族リ−ダ−の型破りな教師が生徒達の心をつかんでいく物語。
・ 自分の夢を大切にする、友達を信じるといったシンプルなメッセージを ぶつける。
6.テレビドラマとその時代
・ 高度経済成長期;「スポーツ根性ドラマ」(努力する→豊かになる→幸福になる)
・ バブル経済期:「トレンディドラマ」(幸福は達成済みという幻想)
「明るく軽くおしゃれ」が価値 暗いことは悪
・ 学校ドラマは何時の時代にもあるが...
  ・ 70年代までは受験競争と闘う
  ・ 80年代は校内暴力と闘う
  ・ 90年代は表面化しないいじめ等と闘う
・ それぞれの時代背景をドラマは反映する
7.1990年代後半と現在のテレビドラマ
・ どちらもテレビドラマ作品の内容に似通った傾向が見られる。
・ 経済絶頂期のトンディドラマやどん底期の暗い作品とは異なる傾向が 見られる。
・ ややシンプルすぎるが力強いメッセージを発する→『GTO』や『半沢 直樹』
・ そこに「困難を克服する新しい希望の光を見たい」という願いがこめら れている、と考えるべきではないか。

 「まとめ テレビドラマは時代を映す」
1.『家政婦のミタ』と『半沢直樹』
・ 近年のテレビ視聴率は(ドラマに限らず)低下傾向。その中でこの『家政婦ミタ』(2011年)と『半沢直樹』(2013年)は驚異的高視聴率をあげた。
・ 考えるための実験。この作品の放送時期が逆だったら、どうなっていた だろうか。
・ この思考実験は証明不可能。ただし同じ脚本家や原作者の作品でも同じように大ヒットするわけではない。そこには何らかの理由があると考える必要がある。
2.『家政婦のミタ』『半沢直樹』と放送年
・ 『家政婦のミタ』が放送されたのは、東日本大震災の年2011年の10〜12月期。
・ 『半沢直樹』が放送されたのは、震災から2年が経ち、その衝撃から立ち直りかけた2013年7〜9月期。
・ 『半沢直樹』のメッセ−ジは強いものの、もし2011年に放送されていたらやや軽薄に見えたのではないか。信念と努力であらゆる困難が克服される内容は、いささか都合良すぎると見えたかもしれない。
3.1990年代と現在の相似性
・ どちらも経済のどん底期から立ち直ろうとする(ただし立ち直りきる前)か。
・ 経済の好調期、どん底期にはそれぞれの流行やテレビドラマの傾向がある。
・ どん底から立ち直ろうとする時期には、シンプルだが力強いメッセージに希望を託そうとする傾向が生まれる。
・ 池井戸潤の企業小説は、そうした人々の心の奥にある願いを形にしてくれる。
4. テレビドラマは時代を映す
・ テレビドラマは身近な娯楽。難しく考えて見る必要はまったくない。
・ しかし、今生きている人びとの心の奥にある(まだ気づいていない)感情や願いを反映して、ドラマは成り立っている。
・ それをあらかじめ計算することは困難。しかし、社会現象化するような 大ヒット作の要因を後から分析・考察する事は可能。
・ 時代との関係を分析・考察することは、テレビドラマ研究の重要な役 割。」



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平成28年7月23日
第54回ゴルフ大会の開催

 本年度第2回の大会は西山会長以下当日2名の追加申込があり計15名参加のもと、近郊の北広島市にあるゴールド札幌カントリークラブにおいて開催されました。
 当日の天気予報では、札幌は27度の真夏日という事でしたが、現地は23度と時折風も吹き、絶好のゴルフ日和に恵まれ楽しい大会になりました。恒例により競技終了後は表彰式を兼ねて懇親会を行いました。優勝は伊藤宏二氏(昭和56理工・ZEKKOINC.アウト:45 イン;44)、準優勝は西山眞吾会長(昭和41商・西山製麺(株)アウト:44  イン:43)またベストグロス賞は工津輝雄氏(昭和39商・(株)エミック アウト:42  イン:40)がそれぞれ獲得し、会長から優勝者並びに入賞者全員に賞品を授与しました。優勝者の弁に続いて、今年度帯広から札幌支部に入会し今回初参加の辻田真人氏(昭和45法)からは「楽しい大会で同門の皆さんと回る事が出来ました。次回も是非参加したい。」旨挨拶がありました。
 続いて事務局より8月9日(火)支部総会、9月10日(土)開催の小樽との交流ゴルフ大会への参加を呼びかけ、和気あいあいの内に散会しました。今回景品の寄贈者は下記の通りです。
・工津輝雄氏(昭和39商・(株)エミック)
・出戸一成氏(昭和35経済・マックスバリュ北海道(株))
・檜森聖一支部長・柴田龍副支部長
・西原達之幹事長
・田代信一氏(昭和56文・(株)京王プラザホテル札幌)


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平成28年7月15日
学術講演会の開催

 中央大学主催、学員会札幌支部・父母連絡会札幌支部共催、札幌市教育委員会・札幌商工会議所・(協)中小企業振興センターの後援による 学術講演会が北海道経済センター8階Aホールにおいて午後2時から開催されました。 講師に宇佐美毅氏(学校法人中央大学文学部教授)を迎え「池井戸潤作品はなぜヒットするか−『半沢直樹』『下町ロケット』などに見る現代性−」と題した講演に札幌市民、 札幌商工会議所会員、学員、父母連絡会会員150名近くが熱心に聴講されました。講演に先立ち檜森学員会札幌支部長の開会の挨拶に続き講演に入りました。
「只今檜森支部長から紹介されましたが例年開催される講演会は難しいテーマのお話が多いようですが、今日は学術講演会という名前に恥じるようなあまり難しくない話を、 学術的でない話しをさせて頂こうかと思っております。中央大学は法学部が看板でして、法科の中央とよく言われますし、 実学の中央と云いまして世の中の役に立つ人材を育てるということが、中央大学の建学の精神がそもそも実地応用の礎を養う、実地応用という事で、 社会で本当に役に立つそういう人材の基を鍛えるのだという事が中央大学の建学の精神なのですが、私残念ながらあまり建学の精神に貢献しておりませんで、 あまり実学ではないと云いますか、全然実学ではないと申しますか、中央大学でも柔らかい方の研究をしている人間が居るのだという事で知って頂ければいいかなあと思っています。
 今私はご紹介頂いたように文学とかドラマの研究をしているのですが、そういった事でいろんな所に声をかけて頂いたりします。それでいろんな所に行くのですが、 授業もこんな感じなのですが、一杯学生が来てくれているので、よっぽど私の話が面白いのだろうな、人気があるのだろうかと思うと「先生の授業はドラマがいっぱい見られていい。」 毎回感想を聞くのですが「今日先生の話ちょっと長かったかなあ、来週はもっと短くして下さい、ドラマをもっと沢山見せて下さい。」言われたりしますので、 私の話が面白いのではなくてドラマがきっと面白いのだと思うのですけれども、そういった事をしている関係でいろんな所に呼んで頂いたりします。
 授業の様子をつい最近テレビで取り上げて貰いました。テレビ朝日系列ですので、こちらですと北海道テレビ放送になると思います。 こんな風な授業をしている事を、折角ですから中央大学の宣伝も兼ねて少し見て頂こうと思います。 こんな風な事をやっておりまして、いろんな所でテレビの研究者というよりはドラマの伝道師というつもりでいるのですが、 いろんな所で声を掛けて頂きまして今回のような講演会に呼んで頂いております。
 講演会に呼んで頂きますと地方に行けますので、その地域のただ観光するだけではなくてドラマに因んだ場所に行ったり、そういう事も勿論させて頂いております。 札幌はついさっき飛行機で着いたばかりですのでまだ何処にも行っておりません。隣が時計台ですのでこれから行こうと思っております。
 例えばこれが岩手県の盛岡で講演会に呼んで頂いた時ですが、盛岡といえば私の中では「どんどんハイツ」という朝ドラの世界なのですが、そこも勿論行きますし、 やはり「あまちゃん」の久慈市ですね、ドラマ研究者の血が騒ぐと云いますか、海女さん達が潜っているところまで行って来ました。
最近ですと福島県のいわき市ですね、映画「フラガール」の街ですから行って来ました。これも研究の一環なのです。 という事で中央大学の実学志向の中でこういう研究をやっている人間なのです。勿論観光もしますし映画やドラマに因んだ場所にも行きますが、行ったら当然美味しいものも食べます。
つい2週間前に山形県の鶴岡市に行って来ました。これ藤沢周平の出身地ですが、庄内藩の飛島で取れる生牡蠣は夏が旬なので食べてきました。 これも研究かな、ちょっと難しい微妙な線引きなのですが地元の事を知るという意味で、これも研究ですしいいのかなと思っています。
 今全国でゆるキャラが地元興しでいろいろとやっておりますが、有名なのは熊本県でしたら「くまもん」、群馬県の「ぐんまちゃん」、愛媛県に行ったら「みきゃん」がいますが。 という事でいろいろと仕事であちこちと呼んで頂いては、それに因んだ観光もし、美味しいものを食べ、テレビに因んだ場所にも行っております。
 ふと考えてみると仕事であちこち行って実は何か遊んでいる、プライベートに楽しんでいるような感じもするので、 やっている事は舛添都知事と殆ど変わらないのかなあと感じもしますし、公私混同だと云われそうな気もしますが、全然違うのです舛添さんと違って私は自分の金で払っています。
そんなような事でいろいろドラマの件であちこちと呼んで頂いておりますが、今回は札幌に呼んで頂いたのですが、札幌と云えば映画で云えば「探偵はバーにいる」という舞台ですし、 それから札幌だけじゃなくて北海道全域と云えばテレビドラマと北海道と云えば「北の国から」等有名なドラマが沢山ありました。 そういった地域でもありますので、私も北海道でいろいろと勉強してネタを仕入れて帰りたいと思っております。
 今日のテーマは池井戸潤という事で、池井戸さんは小説家ですから、池井戸さんがドラマを作っているわけではなくて、池井戸さんの作品を様々なテレビドラマ化している。 今日はそれのお話しをさせて頂きたい。大きく分けて4点についてお話しをさせて頂きます。

1.池井戸潤小説とテレビドラマ化作品
2,池井戸潤ドラマの特徴と『半沢直樹』の意義
3.テレビドラマ史と作品を支える時代
4.まとめ:テレビドラマは時代を映す

「論点1.池井戸潤小説とテレビドラマ化作品」
池井戸さんは、昭和38年生まれで慶応大学を出てから三菱銀行に勤め退職してからいろいろと本を書くようになりました。銀行員を経験した後執筆活動に入り様々な小説を書いております。
2010年に『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、2011年に『下町ロケット』で直木賞を受賞されております。
 この方のどんな作品がドラマ化されているのかという事ですが主なものは『鉄の骨』、『七つの会議』、なんと言っても一番有名なのは『半沢直樹』ですねそれ以外にも 『ルーズヴェルト・ゲーム』、『花咲舞が黙っていない』、『ようこそ、わが家へ』、『民王』、『下町ロケット』などこんな作品が次々とテレビドラマ化されております。 なかでも草分け的な存在として『七つの会議』というドラマがありまして『日本経済新聞』の電子版に連載されたものなのですが、 この作品が2013年にNHKで4回に亘ってテレビドラマで放送されました。
 これは非常に重厚ないいドラマでしたが、実は『半沢直樹』とほぼ同じ時期に2013年の夏(7月〜8月)に放送されておりますが『半沢直樹』に比べてこちらをご覧になっていた方は 少ないのではないでしょうか、視聴率的には全然違います。同じ池井戸の企業ドラマではあるのですが、こちらは非常に重い内容といいますか、 重厚な話なのでちょっと地味な感じはします。『半沢直樹』ほど人気にはならなかったと思います。『七つの会議』の方は、会議の場面が多く、 原作の方は短編で一つ一つ完結しているのですが、ドラマの方では東山紀之さんが演じている主人公に、焦点化するというドラマになっております。
 『半沢直樹』は2013年の夏期に放送され、このドラマの前半5回は東京中央銀行の大阪西支店を舞台に、不正融資を暴く半沢直樹(堺雅人)を描き、後半は東京に移り、 営業第2部次長となった半沢のホテル再建や金融庁検査における活躍を描いております。このドラマは平均視聴率28.7%で、最終回は42.2%という驚異的な高視聴率を上げました。
 因みに視聴率というのは、ビデオリサ−チ社という会社が調べた関東地区を採用するというのが基準になっておりますが、これまた何と言いますか範囲が絞られているので、 実はドラマによっては、関東地区はほどほどだけれども、関西は良かったとか、北海道地区はとても人気があったとか、いろんな地域差があるので一概に計れないのですが、 一応ドラマの世界では、ビデオリサ−チ社が関東地区で調べたものとなっているという事でご了解を頂きたい。こんな事で大変なヒットになりました。 『半沢直樹』の大ヒットがあったものですから、この後池井戸さんの小説が次々ドラマ化され、『半沢直樹』やられたら倍返しだ、倍返しというのは原作の小説の中では、 ほんとに僅かしか云っていないのです。たいして出てこないのですがドラマの方はすっかりこれが決めゼリフに、水戸黄門様の印籠みたいにこれが決めゼリフになったという感じがします。 こういったヒット作があったものですから、この後次々と池井戸さんの小説がドラマ化しまして『ルーズヴェルト・ゲーム』というのが先ず放送されます。 これは電子部品メーカー青島製作所とその会社と社会人野球チ−ムを舞台に、社長・野球部長・部員を描いたドラマです。原作は複数の人物¬を主人公に描いているが、 テレビドラマでは社長の細川充(唐沢寿明)を中心に描いている。 『半沢直樹』ほどの大ヒットではないのですが、平均視聴率は14.5%、最終回は17.6%ですから今の民放のドラマの中では充分高視聴率で成功したドラマと言えると思います。 「どうして『半沢直樹』みたいにヒットしないのでしょうか」とよくテレビの方とか、新聞社の方に聞かれたのですが、 同じ原作者のドラマだから何時もヒットするとは限らないと思います。いろんな要素がありますので、こちらはどちらかというと主役が社長なので、 同じ社長といっても『下町ロケット』位ですとまた別なのですが、唐沢さんが社長の役をやっているのですが、どちらかというと企業の経営という感じで、 多くの視聴者にとって身近な題材という感じはしなかったのか、というところもあります。勿論充分民放のドラマとしては成功なのですが、『半沢直樹』ほどにはならなかった。 企業の経営の問題とそこの会社の社会人野球チ−ムがそれぞれの苦難をどうやって乗り越えていくか平行して描かれているドラマになります。
 この『ルーズヴェルト・ゲーム』はドラマとしては、充分成功し視聴率的にも成功なのですが『半沢直樹』ほどの大ヒット作にはならなかった。 それから同じ池井戸さんのドラマはこの後次々作られまして、『花咲舞が黙っていない』この作品も池井戸さんの原作です。 こちらの方は『花咲舞が黙っていない』という小説はなくて池井戸さんの小説の中で『不祥事』、『銀行総務特命』をドラマ化しているのが第1シリ−ズです。 『花咲舞が黙っていない』は2回に分けてテレビドラマでシリ−ズ化されましたので第2シリ−ズの方は『銀行仕置人』、『銀行狐』とかこういった小説をドラマ化しております。 『花咲舞が黙っていない』の方は複数の小説の内容をミックスして一つのドラマとして、連続ものとして放送されました。
このドラマは、東京第一銀行の臨店班、花咲舞(杏)と相馬健(上川隆也)を中心に描いております。 こちらも『半沢直樹』のような大ヒットではありませんが、現在の民放ドラマは視聴率が15%取れたら大成功ですので第1シリ−ズ16.0%、 第2シリ−ズ14.5%の平均視聴率が取れておりますので民放のテレビドラマとしては視聴率的には、大成功だと思います。
 池井戸さんの一番新しい小説をドラマ化したのは『下町ロケット』ですが、これは2008年から2009年にかけて連載されていたのが第1部にあたりまして、 続編はテレビドラマを放送している時に平行して朝日新聞に第2部を連載する、普通は、連載して小説が出来上がってからドラマ化をするのですが、 これは小説の連載とドラマの放送が平行しているという非常に珍しい実験的な放送のやり方をしたドラマです。 これは昨年10月から12月にかけて放送されまして『半沢直樹』ほどではありませんが、『ルーズヴェルト・ゲーム』・『花咲舞が黙っていない』を上回る平均視聴率18.5%を取り、 最終回は22.3%の視聴率になりました。このドラマは、精密機械製造の中小企業である佃製作所が舞台。佃製作所は小さい企業ではあるが非常に技術力の高く、 社長の佃航平(阿部寛)を主人公に、ライバル企業との特許権をめぐる争いや巨大企業・帝国重工との関係を描いた作品です。
 これらのドラマを見て来ますといろいろな世界がある事はあるのですが、大企業もあり、銀行もあり、中小企業もあり、会社の野球部もあるという事でいろいろではあるのですが、 何かそこに共通点みたいものがあると皆様はお感じになられたと思います。次はそのあたりのところに話を移していきたいと思います。 尚、論点2以降は講演の内容を割愛して要点のみ掲載する。

「論点2池井戸潤ドラマの特徴と『半沢直樹』の意義」
1.池井戸潤小説ドラマ化の特徴
・ 池井戸潤は銀行小説から出発したが、その後様々な作品を書いている。特徴は多様。
・ サスペンス系の『ようこそ、わが家へ』や、政治を扱った入れ替わりもの『民王』などもあり、それらの小説もドラマ化されている。
・ どのテレビドラマも大ヒットの高視聴率となっているわけではない。『半沢直樹』は特別な作品。ただし、多くのテレビドラマが視聴率面で苦労している中、 池井戸作品は手堅く人気を集める。
・ 『半沢直樹』の驚異的高視聴率など、特に銀行・企業を扱った作品への支持が目立っている。
2.銀行・企業を扱う池井戸潤ドラマ
・ 『半沢直樹』、『花咲舞が黙っていない』、『ルーズヴェルト・ゲーム』、『下町ロケット』には、銀行・企業の社員や社長が苦難に負けず努力し続け、 最後に成功をおさめるという共通点がある。
・ 『半沢直樹』東京中央銀行の融資課長・半沢直樹は上司の不正の責任を押しつけられる。
・ 『花咲舞が黙っていない』東京第一銀行の臨店班・花咲舞は、各支店の不正やハラスメントに直面する。
・ 『ルーズヴェルト・ゲーム』苦境の企業野球チーム。
・ 『下町ロケット』中小企業佃製作所社長・佃航平は、ライバル企業から特許権で訴えられる。
3. 『半沢直樹』はなぜ受けたか
・ 『半沢直樹』は「サラリ−マン時代劇」
・ 「善悪」「役割」をわかりやすく描く。
・ 池井戸の原作小説よりも「会社を裏切り半沢に責任を押し付ける上司」「半沢の邪魔をする嫌味な金融庁検査官」のキャラクターがドラマではかなり濃くなっている。
・   わかりやすさに加え視聴者から「共感」「憧れ」という、異なる二つの感情を同時に引き出すことに成功している。
4.半沢直樹への「共感」と「憧れ」
・ 半沢直樹ほどの状況(上司の犯罪の責任を押し付けられる)はあまりないとしても、「上司に恵まれない」「望まない仕事を押し付けられる」といった状況は、 組織で働く人間なら誰にでもある。→「共感」
・ しかし半沢直樹のように露骨に上司に逆らうことは通常はできない。それをやってのけて大逆転で上司の悪をあばき、成敗する半沢に溜飲を下げる→「憧れ」
5.『半沢直樹』が受け入れられる背景
・ 時代劇がテレビからなくなり、安定的な娯楽作品が不足している状況。
・ 1話完結事件ドラマ(刑事物・犯罪もの)の全盛で、「共感」できるキャクターを持つドラマが不足している状況。
・ 働く女性の増加で「サラリーマン社会」「組織で働くこと」を自分に置き換える視聴者が増加している状況。
・ 男女ともに楽しめるドラマ作品の必要性。
「論点3テレビドラマ史と作品を支える時代」
1.『半沢直樹』はいつでも支持されたか
・ 「テレビドラマ史」を考えると、多くの視聴者を引きつけ付けたドラマには、時代との関係、支持される必然性があると考えられる。
・ 「家政婦ミタ」が東日本大震災年に支持されたようにテレビドラマと時代との関係を考えることもテレビドラマの研究の役割。
・ 『半沢直樹』を含む2013年以降のドラマの状況は1990年代後半のテレビドラマの状況と似ているのではないか。
2.1990年代後半という時代
・ バブル経済期1980年代後半、バブル崩壊期1990年代前半に続く時代。
・ バブル経済期のヒット作
    『抱きしめたい』(88年)『愛しあってるかい』(89年)などのトレンディドラマ。
・ バブル崩壊期のヒット作
    『家なき子』(94〜95年)や『この世の果て』(94年)といった貧困や不幸を描いたドラマが注目された。
3.1990年代後半のテレビドラマ
・ ハブル経済期の底抜けに明るい作品やバブル崩壊期の救いようのない暗さの作品は見られなくなっていく。
・ 1990年代後半は例えば『GTO』(1998年)や『彼女達の時代』(1999年)などの作品が注目された時代。
・ 作品の雰囲気はまったく異なるが、どちらも状況の困難さや価値観の迷いに「立ち向かう」物語という意味で共通点がある。
4.『彼女達の時代』
・ 1999年、フジテレビ系列
・ 岡田恵和脚本。
・ 出演:深津絵里、水野美紀、中山忍。
・ 仕事や恋愛にいきづまる3人のOLが出会い、励まし合って進む過程を描く。
・ 一方でリストラ男性社員も描かれる。
・ 働く意味、人生の意味を考える「自分さがし」物語。
5.『GTO』 ・ 1998年、フジテレビ系列
・ 藤沢とおる漫画作品のテレビドラマ化。
・ 脚本:遊川和彦。主演反町隆史。
・ 2012年、リメイク作品(AKIRA主演)。
・ 元暴走族リ−ダ−の型破りな教師が生徒達の心をつかんでいく物語。
・ 自分の夢を大切にする、友達を信じるといったシンプルなメッセ−ジをぶつける。
6.テレビドラマとその時代
・ 高度経済成長期;「スポーツ根性ドラマ」(努力する→豊かになる→幸福になる)
・ バブル経済期:「トレンディドラマ」(幸福は達成済みという幻想)
「明るく軽くおしゃれ」が価値 暗いことは悪
・ 学校ドラマは何時の時代にもあるが...
  ・ 70年代までは受験競争と闘う
  ・ 80年代は校内暴力と闘う
  ・ 90年代は表面化しないいじめ等と闘う
・ それぞれの時代背景をドラマは反映する
7.1990年代後半と現在のテレビドラマ
・ どちらもテレビドラマ作品の内容に似通った傾向が見られる。
・ 経済絶頂期のトンディドラマやどん底期の暗い作品とは異なる傾向が見られる。
・ ややシンプルすぎるが力強いメッセージを発する→『GTO』や『半沢直樹』
・ そこに「困難を克服する新しい希望の光を見たい」という願いがこめられている、と考えるべきではないか。
 「まとめ テレビドラマは時代を映す」
1.『家政婦のミタ』と『半沢直樹』
・ 近年のテレビ視聴率は(ドラマに限らず)低下傾向。その中でこの『家政婦ミタ』(2011年)と『半沢直樹』(2013年)は驚異的高視聴率をあげた。
・ 考えるための実験。この作品の放送時期が逆だったら、どうなっていただろうか。
・ この思考実験は証明不可能。ただし同じ脚本家や原作者の作品でも同じように大ヒットするわけではない。そこには何らかの理由があると考える必要がある。
2.『家政婦のミタ』『半沢直樹』と放送年
・ 『家政婦のミタ』が放送されたのは、東日本大震災の年2011年の10〜12月期。
・ 『半沢直樹』が放送されたのは、震災から2年が経ち、その衝撃から立ち直りかけた2013年7〜9月期。
・ 『半沢直樹』のメッセ−ジは強いものの、もし2011年に放送されていたらやや軽薄に見えたのではないか。信念と努力であらゆる困難が克服される内容は、 いささか都合良すぎると見えたかもしれない。
3.1990年代と現在の相似性
・ どちらも経済のどん底期から立ち直ろうとする(ただし立ち直りきる前)か。
・ 経済の好調期、どん底期にはそれぞれの流行やテレビドラマの傾向がある。
・ どん底から立ち直ろうとする時期には、シンプルだが力強いメッセージに希望を託そうとする傾向が生まれる。
・ 池井戸潤の企業小説は、そうした人々の心の奥にある願いを形にしてくれる。
4. テレビドラマは時代を映す
・ テレビドラマは身近な娯楽。難しく考えて見る必要はまったくない。
・ しかし、今生きている人びとの心の奥にある(まだ気づいていない)感情や願いを反映して、ドラマは成り立っている。
・ それをあらかじめ計算することは困難。しかし、社会現象化するような大ヒット作の要因を後から分析・考察する事は可能。
・ 時代との関係を分析・考察することは、テレビドラマ研究の重要な役割。」

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平成28年6月19日
中央大学父母連絡会札幌支部総会並びに父母懇談会へ出席

 ニューオータニイン札幌において開催の「父母連絡会札幌支部総会・父母懇談会」へ当支部より檜森支部長が出席されました。
 当日は在校生の父母140名が参加されました。午後12時30分より総会に入り、山下裕司支部長の挨拶に続き「2015年度事業報告・決算報告」、 「2016年度事業計画案・予算案・役員改選」が審議されました。その結果新支部長に百井元幸氏、副支部長に小沢知文・平石知輝の両氏他新役員が選任されました。
 引き続き「父母懇談会」が開催され、経済学部教授の北沢格氏からは「大学の近況について」、商学部事務室の米川竜弘氏から「学業・学生生活について」、 キャリアセンター松岡亜希子氏からは「最新の進路・就職事情について」お話がありました。
 次いで染谷昇氏(昭和49年・商・ソメスサドル((株)代表取締役)からはご自身の生い立ち、会社の経営方針等についてお話しがありました。 終了後は希望者に対して個人相談会、懇親パーティ(希望者)も開催され父母の交流がふかまりました。

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平成28年5月21日
第53回ゴルフ大会の開催

 本年度第1回のゴルフ大会(通算53回)は連日真夏日が続いている最中、札幌南ゴルフクラブ駒丘コースにおいて開催されました。西山会長、檜森支部長参加のもと10名の会員から申込みがありました。
 当日は午後12時12分にアウトコースをスタート、気温も29度近く迄上りましたが適当に風があり絶好のゴルフ日よりに恵まれ楽しい大会になりました。恒例により競技終了後は表彰式を兼ねて懇親会を行いました。
 優勝は高橋恭平氏(昭和48理工・(株)タカラ・アウト:47 イン:42)で同氏はベストグロス賞も併せて獲得しました。また準優勝は若田正己氏(昭和48法・アウト48 イン:49)が獲得しました。今回は檜森支部長、出戸一成氏(昭和35経済・マックスバリュー北海道(株))、田代信一氏(昭和56文・(株)京王プラザホテル札幌リスク管理担当支配人)の3名から景品の寄贈がありました。
 懇親会は終始和やかな雰囲気の中で進み優勝者の高橋恭平氏の弁、今回初参加の佐々木教雄氏(平成3経済・(株)北洋銀行)の弁に続いて、最後は事務局から次回7月23日(土)開催の第54回ゴルフ大会、7月15日(金)開催の「中大学術講演会」、8月9日(火)開催の「当支部定時総会」への参加要請を願い和気あいあいの内に散会しました。


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平成28年4月19日
支部三役会議の開催

 北海道経済センター3階特別談話室において、午後12時より檜森支部長・柴田(代理)・舟橋・村木・有塚広之副支部長(昭和63年・法・札幌市市民まちづくり局公共交通担当部長)、西原幹事長出席のもと開催致しました。
 議案第1号 :「平成27年度事業報告並びに収支決算報告について」
  幹事長より別添資料に基づき報告了承されました。
 議案第2号 :「平成28年度事業計画(案)並びに収支予算(案)について」
  幹事長より別添資料に基づき説明し学員ネットワーク拡充の一環として、「第3回学員会全道支部交流会」を小樽市において下記により開催する旨の提案があり了承されました。
@ 日 時  平成28年8月26(金)午後4時〜
A 場 所  オーセントホテル小樽
         (小樽市稲穂2丁目15−1  пi0134−27−8100)
 議案第3号 :「平成28年度支部定時総会の開催について」
  幹事長より当日は大学本部より深澤武久理事長、学員会本部より久野修慈会長、小畑悟東北・北海道担当副会長を迎え下記日程により開催する旨の説明があり出席者全員了承しました。
 総会は下記の日程に決まりました。
@ 日 時  平成28年8月9日(火) 午後6時より
A 場 所  京王プラザホテル札幌3階「扇の間」
B 会 費  懇親会費6,000円  支部年会費2,000円
尚、総会終了後恒例の卓話は(株)大丸松坂屋百貨店執行役員札幌店長 香川暁子氏(昭和56年・商)による「女性のキャリアについて」と題したお話を頂く予定。
 議案第4号 :「学術講演会の開催について」
  幹事長より本件については札幌市教育委員会、札幌商工会議所、協同組合中小企業振興センターの後援、本学父母連絡会札幌支部の共催の承諾を頂いており、本講演会のPRと参加者の動員を図るためポスター、チラシを制作し下案の要領で周知をしたい旨報告了承されました。
@ A1サイズのポスターを25枚、A4サイズのチラシ23,000枚制作する。
A 札幌商工会議所・協同組合中小企業振興センターの会員向けに毎月配布している資料の中に22,000枚を入れ参加者を募る。
B 学員会札幌支部会員等向けにチラシをDMにて送付し参加者を募る。
C 札幌市民向けのPRとして、札幌市営地下鉄の15の駅の掲示板にポスターを貼り参加者を募る。
北海道新聞、毎日新聞、読売新聞等を中心に市民向けのPR版コーナーに掲載し参加者を募る。


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